高速のカーブが走りやすいのはアウトバーンゆずりの大発明のおかげ! 誰もが知らずに恩恵を受けている「クロソイド曲線」とは (2/2ページ)

本来の目的とは逆の設計でも違和感なし!?

 ところで、このクロソイド曲線の走りやすさ、走りにくさに関して、ひとつ不明なことがある。

 現在、東名高速の下り線、大井松田ICから御殿場IC手前の区間まで、右まわりルート、左まわりルートで計4車線の道路となっているが、右まわりルートは旧上り線の2車線道路を転用したものになっている。

 おそらく、ここでもクロソイド曲線のカーブが設けられているのは間違いないが、かつての上り線を下り線に転用したということは、クロソイド曲線は「逆クロソイド曲線」となって走りにくくなるはずだが、実際走ってみると、さほど走りにくさは感じられず、どのカーブも自然な操作で走り抜けることができる。しかし、上り線から下り線に転用となった際、カーブの曲率改修工事を行ったという話は聞いたことがない。

 カーブというと、直線から一定の曲率を持った曲線路のつながりを思い浮かべるが、この形状は実際には走りにくく、逆に入口の曲率が大きく、旋回するにしたがって曲率が小さくなるカーブのほうが、自然な操作、感覚で走ることができるというのは、なんともおもしろい。

 意識は安全運転に集中してほしいが、高速道路を走る際、大きくまわり込んだカーブがクロソイド曲線なのか、ちょっと考え感じてみるのはどうだろうか?


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