ホイールを替えただけでこんなに走りが変わるの!? 土屋圭市も太鼓判を押すホンダアクセスのヴェゼル専用ホイール「MS-050」の体感試乗で驚きの声続出!! (1/2ページ)

「MS-050」の性能にドリキンも驚いた

 今年も「オートメッセリアル×ジャパントラックショー in 富士スピードウェイ2024」が10月27日(日)、静岡県・富士スピードウェイにて開催された。そして同イベント内では、ホンダ車の純正アクセサリーを手がけるホンダアクセスが2代目ヴェゼルのために専用開発した18インチホイール「MS-050」の体感試乗会も実施された。

「MS-050」は、ホンダアクセスがモデューロXシリーズで培ってきたアルミホイール開発技術を、最大限活かして投入した力作。「アルミホイールもサスペンションの一部である」というホンダアクセス独自の開発思想のもと、リム部とスポーク部の最適な剛性バランスを追求。つまり、「ホイールをしならせること」によってタイヤの接地面圧を高め、どんな路面環境においても4つのタイヤのもつパフォーマンスを最大限引き出すことを狙った──というホイールだ。

 本来は「ホンダ・ヴェゼル モデューロX」に装着することを想定して開発を進めていたものだが、折からの半導体不足などの影響により、残念ながらコンプリートカーの開発は中止に。ヴェゼルのマイナーモデルチェンジに合わせて、純正アクセサリー、ホイール単体として発売されることになった次第だ。

 体感試乗会は、まずはモデューロの開発アドバイザーである土屋圭市さんと、昨年9月にホンダアクセスを定年退職した元開発統括・福田正剛さんによるトークショーからスタートした。

 ドリキンこと土屋さんは、「しなるホイール」の元祖である、2015年に発売したS660用のアルミホイールの開発時、北海道にあるホンダのテストコース「鷹栖プルービンググラウンド」にこもり、剛性バランスがそれぞれ異なる数種類の試作品のテストドライブと評価を担当した。だが、「しなるホイールを作りたいので、ぜひ協力してほしい」との依頼を受けた段階では、開発統括だった福田さんに面と向かって「……バカじゃねえの?」といったらしい。

「だってさ、オレみたいなモータースポーツをやってる人間にいわせれば、ホイールって“軽量・高剛性”じゃないと話にならないのよ。それなのにわざわざ部分的にとはいえ剛性を落とそうっていうんだから、あり得ないじゃない。だから福田さんには『お前らバカじゃねえの?』っていったよ。まぁ仕事として引き受けたけど、内心ではバカにしてたね」。

 トークショーでそう語った土屋さんだが、鷹栖での1日目を終え、そして2日目のテストが始まるころには、「……ごめんなさい、オレが間違ってました!」と謝罪したという。

「リム部とスポーク部の剛性バランスが異なる試作品を何種類もテストしたんだけど、そのバランスがドンピシャのやつに乗ると『……マジかっ?』っていうぐらいイイんだよ。速度を上げてもタウンスピードでも、そしてどんな路面においても、『これ、オレが見てない間にタイヤとサスを換えたでしょ?』ってぐらい、乗り味もステアフィールも、そしてブレーキングや静粛性に関しても、もう何もかもの次元が微妙に上がっちゃうわけ。そうなったらもう福田さんには『ごめんなさい!』って謝るしかないじゃない(笑)」。

 そして、土屋圭市さんと福田正剛さんによる爆笑開発秘話が披露されたあとは、希望者同士の激しいじゃんけん戦に勝ち残った10人の来場者が、「MS-050が装着された2代目ヴェゼルe:HEV(マイナーモデルチェンジ前)」と「非装着の同型車」を乗り比べてみるという体感試乗会が実施された。ちなみに両車はボディカラーなどが異なる以外はまったく同じもので、装着タイヤも同じ標準装備されている「ミシュラン プライマシー4」の225/50R18である。また、MS-050の単体重量は、とくに軽量というわけでもない。純正ノーマルホイール比で300gほど軽いだけだけなので、要するに「だいたい同じぐらい」ということだ。

 富士スピードウェイの本コースではなく外周路で一般道相当の速度レンジで約10分間の体感試乗を終えた参加者の一部に、MS-050のリアルな印象を聞いてみた。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

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