純正品に見えないデザインも多数
●ホンダデザインの黄金期に相応しい個性派ホイール
3つめは、1983年登場の3代目シビック、通称ワンダーシビックに用意されたホイールです。ロングルーフの3ドアを筆頭に極めてスタイリッシュなボディは、1984年のグッドデザイン賞を受賞。
当然、これに合わせるホイールデザインにも力が入っていて、4つの楕円を彫り込んだ造形は実に斬新なもの。外周の深い溝も実にいいアクセントとなっています。
これだけスポーティで攻めていながら、変に過激に見えないのはやはり純正品故でしょう。
●往年のオープンスポーツをイメージさせる作り込み
4つめは、1989年に発売された初代ユーノス・ロードスター用のホイールとします。
「かつてのコンパクトオープンスポーツが現代に復活」と称された初代ですが、ホイールもまた60年代のブリティッシュ・ライトウェイトスポーツをイメージしたもの。
立体感のあるデザインは7本のスポークがスポーティで、ザラ目の艶消し加工が軽量さを感じさせます。マツダらしいのは、復刻パーツのひとつとして、いまでも入手することができるところです。
●コンセプトカーを再現した未来派ホイール
最後に選んだのは、1981年に登場したいすゞ初代ピアッツァ用のホイールです。
巨匠ジウジアーロによる、時代を先取りした超フラッシュサーフェスボディにあわせたホイールは、コンセプトカーであるアッソ・ディ・フィオーリが履いていたものをそのまま再現した逸品。
多孔タイプながらボディに合った面一感の高さや、イタリアンなエレガントさが見事です。こんなすごいホイールが純正品? という作りも、80年代の勢いを感じさせるモノといえるでしょう。
さて、冒頭にも書いたとおり、最近は車格を問わずスタイリッシュなアルミホイールが豊富に用意されていますが、ホイールを見たらクルマが思い浮かぶ……という例は減っているようです。その意味で、今後は唯一無二の個性的なデザインを期待したいところですね。