侮りがたし80年代の純正ホイール! いま見ても感動必至の「秀逸デザイン純正アルミ」をデザインのプロが選出!! (2/2ページ)

純正品に見えないデザインも多数

●ホンダデザインの黄金期に相応しい個性派ホイール

 3つめは、1983年登場の3代目シビック、通称ワンダーシビックに用意されたホイールです。ロングルーフの3ドアを筆頭に極めてスタイリッシュなボディは、1984年のグッドデザイン賞を受賞。

 当然、これに合わせるホイールデザインにも力が入っていて、4つの楕円を彫り込んだ造形は実に斬新なもの。外周の深い溝も実にいいアクセントとなっています。

 これだけスポーティで攻めていながら、変に過激に見えないのはやはり純正品故でしょう。

●往年のオープンスポーツをイメージさせる作り込み

 4つめは、1989年に発売された初代ユーノス・ロードスター用のホイールとします。

「かつてのコンパクトオープンスポーツが現代に復活」と称された初代ですが、ホイールもまた60年代のブリティッシュ・ライトウェイトスポーツをイメージしたもの。

 立体感のあるデザインは7本のスポークがスポーティで、ザラ目の艶消し加工が軽量さを感じさせます。マツダらしいのは、復刻パーツのひとつとして、いまでも入手することができるところです。

●コンセプトカーを再現した未来派ホイール

 最後に選んだのは、1981年に登場したいすゞ初代ピアッツァ用のホイールです。

 巨匠ジウジアーロによる、時代を先取りした超フラッシュサーフェスボディにあわせたホイールは、コンセプトカーであるアッソ・ディ・フィオーリが履いていたものをそのまま再現した逸品。

 多孔タイプながらボディに合った面一感の高さや、イタリアンなエレガントさが見事です。こんなすごいホイールが純正品? という作りも、80年代の勢いを感じさせるモノといえるでしょう。

 さて、冒頭にも書いたとおり、最近は車格を問わずスタイリッシュなアルミホイールが豊富に用意されていますが、ホイールを見たらクルマが思い浮かぶ……という例は減っているようです。その意味で、今後は唯一無二の個性的なデザインを期待したいところですね。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

愛車
いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
趣味
オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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