サーキットをトラックが走る! はしご車のバケットにも乗れる! 日本最大級のトラックの祭典「ジャパントラックショー in Fuji Speedway 2024」はトラックマニアではなくても楽しかった (2/2ページ)

カスタム業界が盛り上がりを見せていた

 つづいて、色鮮やかなホイールを展示していた株式会社Climateのホイールブランド「BLACK WOLF」のブースに足を運んだ。

 トラックのカスタマイズ事情についてあまり詳しくないという方も多いのではないかと思うが、いわゆる「デコトラ」系ではないカスタマイズ向けの社外アルミホイールはつい最近までほとんど存在せず、このBLACK WOLFがパイオニア的存在なのだとClimate営業部部長の松原勇介さんは語る。

 とくに人気だというのが、マシニング加工によってシルバーの加飾が入ったブラックカラー。乗用車向けのアルミホイールでも最近よく見るカラーリングでもあり、確かに売れそうなイカツいカッコよさだ。

 これらのホイールはすべて鍛造。鍛造ホイール=高級品のみ、というイメージがなんとなくあるのではないかと思うが、松原さんによるとトラックのアルミホイールは基本的にすべてが鍛造だという。いわれてみれば、トラックのホイールにかかる負荷や要求される耐久性は普通車のそれとは段違いのはず。それゆえ、必然的に高強度の鍛造になるのだろう。いやはや、浅学無知を恥じるばかりである。

 2台のボルボ製大型トラックが並ぶ圧巻の展示に惹かれ、最後に訪れたのが、ヨシノ自動車の手がけるカスタマイズ事業部「Fast Elefant」のブース。

 車体販売からレンタル・リース事業、車検整備など、トラックに関わるあらゆる事業を手がけているのではないかというヨシノ自動車は、ボルボ・トラックの正規ディーラーでもある。その地力を活かして、ボルボ製トラックのカスタマイズやパーツ販売を行っているのがFast Elefantというわけだ。

 さっそく、Fast Elefant事業部部長の中渡瀬アルフレッドさんにお話をうかがった。中渡瀬さん曰く、ボルボのトラックは国産の同等車種と比較すると車体価格はいくぶん張るものの、室内空間の居住性、パワーなど、全体的な性能において優れているという。

 圧倒的な存在感を放っていたこちらの一台は、Fast ElefantのデモカーであるボルボFH。なんと、改造費だけで1500万円もかかっているらしい!

 ディテールを見ればそれも納得。これだけで数百万円という手の込んだカスタムペイントからはじまり、派手なエアロパーツやワンオフだという大迫力のマフラーなど、改造点を数えはじめれば枚挙に暇がない。

 いわばトラック界の高級カスタムカーであるこういったデモカーも、ポンと買っていくお客さんがいるというから驚く。Fast Elefantのボルボ・トラックは、業界においてもかなり名高いとのことなので、広告等的な役割を果たしているのだろう。

 一部のみの抜粋と相成ってしまったが、ジャパントラックショーには興味深い展示が多く、トラックに疎いクルマ好きでも楽しめるようなイベントになっていた。


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