路面に文字やイラストを描いて意思疎通なんて未来も! トラックの「LEDライト」の進化が止まらない (2/2ページ)

トラックのライトは次のステージへ!

 こういった特徴を踏まえ、ライトは次のステージを迎えようとしているのだ。現在、オートヘッドライトやオートハイビームが普及しつつあるが、それをさらに進めたのがADB(Adaptive Driving Beam、配光可変型ヘッドライト)だ。これは、車載カメラを使って前方の状況を把握し、それに合わせてヘッドライトの照射パターンを変化させるというものである。

 たとえば、先行車や対向車にはまぶしくないように遮光するが、ドライバーに必要な場所には、ハイビーム並みの明るさで照射するといったシステムだ。トラックは運転席が高くヘッドライトの位置が低いので、ADBが採用されればドライバーの視界はより鮮明になる。加えて、対向車などの幻惑が防げるので安全性が格段に向上することになるだろう。

 さらに進んだ次世代の技術といわれる「高精細ADB」では、1万6000個のLEDをコントロールすることで、より細かな配光を実現できるのだそうだ。

 ウインカー・ストップランプ・バックランプは、車両の行動をまわりに知らせる役割をもつが、サンキューハザードやパッシングもドライバーの意思を伝えるシグナルになっている。トラックの場合、周囲から運転席が見にくいこともあって、ドライバーの意思がまわりに伝わらないことも少なくない。そこで、路面に光で文字やイラストを映し出す「路面描画ランプ」や、シーケンシャルランプのように、あらゆるランプの点灯パターンを工夫する「アニメーションランプ」が、周囲にドライバーの意思を伝える試みとして研究されている。

 たとえば、見通しの悪い交差点を通過するとき、前方路上に「路面描画ランプ」を照射すれば、左右を通行する車両や人に自車の接近をいち早く伝えることができる。あるいは、路上で乗降のためにドアを開けようとするとき、事前にウインカーなどのランプが点灯することで、後方からくる車両にその意思を伝えることができるというわけだ。

 これらの技術は安全面だけではなく、イルミネーションアートを楽しむトラックにとっても、新たなパフォーマンスを生み出してくれるかもしれない。これまでは車両本体に取り付けたランプだけを光らせていたが、「路面描画ランプ」であれば、周囲の路面や壁などにもパフォーマンスが可能になるかもしれない。LEDランプの進化・発展に、ますます目が離せなくなりそうだ。


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