この記事をまとめると
■日本独自の文化として知られるデコトラ
■デコトラ専門誌「トラック魂」ではとある人物の生き様を連載している
■「乙姫丸」を築き上げたデコトラ界の偉人である井路端武夫さんを紹介
デコトラの世界を大いに盛り上げてきた
昭和の時代に日本中に広まったデコトラ文化。1970年代後半に話題となり、そして1980年代後半になると第2次デコトラブームと呼ばれるほどの波が押し寄せた。現在、デコトラの世界に身を置く人たちは、この時代に刺激を受けたという人が多い。少年の時代に憧れ、デコトラに乗るという夢を自身のものとした筋金入りは、令和の時代でもデコトラ界を大きく支えているのである。
デコトラ専門誌「トラック魂」では、「デコトラ偉人伝」と銘打った企画のなかで、とある人物の生き様を連載している。その人物とは、1980年代に有名なデコトラ、全国浪花会の「乙姫丸」を築き上げた、大阪府在住の井路端武夫さん。マーカーランプやアンドンといった電飾パーツに重点を置き、相棒の大型ダンプをド派手に飾り上げてきた。当時からデコトラの世界では個性が尊重されていたのだが、井路端さんは周囲が思いつかないような飾りを生み出しては、デコトラの世界を大いに盛り上げてきたのである。
「誰かと同じことをやっても、面白くないやん。だからいろいろなことを考えてやってきたんやけど、結局はマネされてしまうわな。まぁカッコええって思ってもらえたからこそマネされるんやろうから、ありがたいことでもあるけどな」。
デコトラ全盛期ともいえる黄金時代を駆け抜けてきた井路端さんは、大阪ダンプのスタイルを見事に確立させた。そして、テレビにもたびたび出演し、一躍時の人となったのである。そんな井路端さんは、大型ダンプとともに「愛姫丸」や「恋姫丸」と名付けた、4トントラックでの仕事も並行して始めた。そして、現在では浪花商事、浪花水産、浪花サロンバスという3つの会社を牽引している。