この記事をまとめると
■全日本ラリー選手権の第8戦に「ミライースターボXX」が参戦
■D-SPORT Racingがコペンのエンジンやギヤボックスをミライースに移植して制作した
■国沢光宏選手がステアリングを握りオープン1クラスを12位で完走
魔改造ミラが快走!
全日本ラリー選手権の第8戦「ラリーハイランドマスターズ」が10月18日〜20日、岐阜県高山市を舞台に開催。各クラスで激しいタイム争いが展開されていたのだが、そのなかで注目を集めていた1台が、オープンクラスに参戦した「ミライースターボXX」だ。
同モデルはD-SPORT Racingが開発したマシンで、コペンのエンジンおよびギヤボックスを移植したほか、足まわりも専用パーツでアップデート。しかも、エンジンはブーストアップで最大出力も引き上げられたほか、ボンネットには吸気の温度低減および排熱用のエアダクトを設けるなど、大幅なモディファイを施した本気の1台だ。
このミライースターボXXは全日本ラリー選手権の開幕戦、ラリー三河湾でデビューを果たすと第4戦のラリー丹後に参戦。このラリーハイランドマスターズが参戦3戦目となるが、ドライバーがそれまでの相原泰祐選手から自動車評論家でおなじみの国沢光宏選手に変更されたほか、マシンに関してもリヤシートを取り外して軽量化が追求され、前後にタワーバーを装着して剛性の向上を図るなど、細部の進化が図られていた。
今大会でミライースターボXXのステアリングを握った国沢選手は「このクルマは富士のK4GPでドライビングしました。クルマとしては安定性が高くて転ぶ感じはしないし、バランスを崩してもスピンすることはないので運転はしやすい。クルマが軽いので、思うままに動かせる。欲をいえばもう少しパワーがあるといいけれど、仕上がってくれば面白いと思う。今後が楽しみなクルマですね」と好感触。
事実、ラリーハイランドマスターズでも国沢選手×ミライースターボXXは安定した走りを披露し、オープン1クラスを12位で完走した。
ラリーハイランドマスターズに訪れていたD-SPORT Racingの相原選手によれば、「引き続きコンプリートカーもしくはキットカーでの販売を目標に開発していきたいと思います」とのこと。1990年代の全日本ラリー選手権ではミラX4がAクラスで躍進していたが、この令和に生まれたミライースターボXXも全日本ラリー選手権で一時代を築く可能性があるだけに、今後の動向に注目したい。