【試乗】最注目の新型オールシーズンは雪上性能がバッチリ! 雪上でピレリのウインタータイヤ4本を乗りつくした (3/3ページ)

冬用の「P ZERO」はコントロール性に優れる

■ScorpionWinter(スコーピオン・ウインター)

 おもにライト/ミドルクラスレンジのハイパフォーマンスSUVをターゲットにしたヨーロピアンウインタータイヤがスコーピオン・ウインターだ。

 トレッドデザインは、極太の2本の主溝とV字パターンで構成されており、サイプも縦、横、斜め方向に刻まれ、特定の方向からの入力には剛性を発揮し、あるいは柔軟性を示すことで、剛性と柔軟性を両立している。

 3PMSF(3ピークマウンテンスノーフレークマーク=通称スノーフレークマーク)を取得しており、スノータイヤ規制時に高速道路への乗り入れが可能。

 スタッドレスタイヤほどの氷上性能は備えていないが、低温でも柔軟性を保つコンパウンドが搭載されており、ドライバーに不安を感じさせないレベルのグリップ性能は備えている。試乗コースでも水分の多い圧雪路面でもタイヤが路面をとらえている感触がしっかりと感じられた。

 コンパウンドグリップとともにブロック及びサイプのエッジの効いた感触もあり、かなり滑りやすく磨き込まれた雪上でも安心感が高かった。

 マカンにはNコード付きが装着されており、バランスのいい操縦性、コントロール性を見せてくれた。専用設計のマッチングのよさも体感できた。

■P ZERO WINTER(ピー・ゼロ・ウインター)

 自動車メーカーとの共同開発によって専用設計されているのがピレリのウインタータイヤシリーズのフラッグシップともいえる、P ZERO WINTERだ。名前のとおり冬用のP ZEROという位置づけ。

 左右非対称デザインでアウト側に斜め溝が刻まれた大型ブロック、イン側にブロックパターンが配置され、ドライ路面でのパフォーマンスを考慮したデザインとなっている。

 もちろんコンパウンドは低温時のゴムの硬化を抑えたウインターコンパウンドで、スノーフレークマーク付き。国内では冬用タイヤ規制にも対応している。

 BMW5シリーズ(FR)、アルピナD3S4WD、ポルシェ911カレラ4Sに試乗することができたが、いずれも際立っていたのはそのコントロール性のよさ。

 滑りやすい路面で(もちろんそれに見合った速度で)思いどおりにクルマがコントロールできるのだ。限界性能の高さもさることながら、そこに至る過渡領域のインフォメーション性やコントロール性を作り込んでいるように感じられた。


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