この記事をまとめると
■ハンドルセンターのずれはタイヤ空気圧不均等やアライメントの狂いなどによって生じる
■アライメントはタイヤの縁石ヒットやタイヤサイズ変更などで狂いが生じる
■ハンドルセンターのずれの放置にはさまざまなデメリットがあるので早急な対応を心がけたい
クルマが正常な状態ならハンドルセンターはずれない
直線の道をまっすぐ走っているとき、正常なクルマであれば、ハンドルは中立の位置(センター)になっているはずだが、いつの間にか、ハンドルを右か左に少し傾けておかないと真っ直ぐ走れなくなっていることがある。
こうした症状を「ハンドルセンターのずれ」という。
ハンドルのセンターがずれる原因はいくつかあって、ひとつはタイヤの空気圧の不均等。タイヤはパンクしていなくても、1カ月で5%程度は自然に空気圧が抜けてしまう。この抜け方が左右で不均等だったりすると、ハンドルセンターがずれるので、1カ月に一度は空気圧の点検、調整が必要。
そして一番疑わしいのは、アライメントの狂い。アライメントとは、車体に対するタイヤの取付け角度のこと。
具体的には、トー角、キャンバー角、キャスター角の三つの角度で、これらの角度がメーカーの設定している基準値からずれると、直進安定性が失われたり、ハンドルのセンターがずれてしまう。
アライメントが狂ってしまう原因は、タイヤを縁石に強くヒットさせたり、タイヤが縁石に当たったままハンドルを切ってしまったり、車高が変わった、タイヤサイズが大きく変わった、といったことが考えられる。
このアライメントの狂いを放置しておくと、ハンドルのセンターが狂う、ハンドルが流れる(真っすぐな道を直進中、ハンドルをしっかりホールドしておかないと、ハンドルが右または左へもっていかれる)、タイヤが偏摩耗する、燃費が悪くなるとといった症状が出てしまうので、アライメントテスターを完備している足まわりの専門店で調整が必要(大手カー用品店やタイヤ販売のチェーン店でもOK)。
あとはタイヤの真円度不良や、ブレーキピストンの固着、路面の轍や傾斜が影響していることなどもあるが、ハンドルのセンターがずれているのは、ハンドルを握っていて気分が悪いし、運転していて疲れやすくなるので、まずはタイヤの空気圧を揃えて、それでも直らなければ、アライメントテスターにかけてみよう。
購入したばかりの中古車であれば、タイヤの銘柄が1本だけ違うとか、摩耗具合に差があるとか、ステアリングホイールを交換している、あるいは別のステアリングホイールから純正ステアリングホイールに戻したときに、その取付がずれていたといったことも考えられるが、もともとセンターが出ていたのに、気がついたらずれていたといったケースは、タイヤのトラブル、もしくはアライメントが狂ってしまった可能性が大なので、早めに専門家にチェックしてもらうのが一番だ。