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上半期のBEV販売は約10%増でHEVは約70%増!! それでも全体で20%もマイナスとなったタイで何が起こっているのか? (2/2ページ)

上半期のBEV販売は約10%増でHEVは約70%増!! それでも全体で20%もマイナスとなったタイで何が起こっているのか?

この記事をまとめると

■BYDがATTO 3を値下げしたことでタイのBEV販売が混乱している

■新車販売は増えるも実際に販売台数が増えているのはBYDと起亜だけだった

■少子高齢化とオートローンの審査の厳格化によりタイの新車販売は伸び悩んでいる

増えてるのそれとも減ってるの? タイの新車販売台数

 東南アジアのなかでは、BEV(バッテリー電気自動車)がいち早く普及しているタイにおけるBEV販売が混乱を見せている。タイ国内でのBEV販売トップシェアの中国BYDオート(比亜迪汽車)が、2024年7月に新車価格の値下げを行ったのである。主力販売車種となる「ATTO 3」で最大34万バーツ(約136万円)の値下げを行った。今回の値下げにより、BYDも値下げ傾向が顕著になった。

 すでにほかの中国系メーカーでの価格引き下げなどの乱売傾向は目立っているなか、それでもBYDは最後までこれに同調する動きは抑えてきたのだが、ここへきて「我慢の限界」ではないが、一気に車両価格引き下げへ舵をきったことになるといえよう。

 タイにおける2024暦年締め上半期(1~6月)の新車販売台数は30万8027台(前年同期比24.2%減)となっている。乗用車やピックアップが大きく販売台数を落とすなか、いよいよ中国系メーカーの乱売傾向が顕著となっているBEVは、前年同期比で9.4%増となっており、これに現地事情通はあくまで私見としながらも、「BEV全体でプラスになっていますが、これは本格的な乱売シフトに舵を切ったBYDのみプラスといっていいでしょう。とにかく在庫車を処分して現金化したいという動きが統計数値に反映されているようです」と語ってくれた。

 主要メーカーの2024年1~8月の累計販売台数でみると、前年同期比でプラスとなっているのはBYD(+41.1%)、韓国の起亜(+80.5%)ぐらいであった。ピックアップトラック販売比率が著しく高いフォードはマイナス42.9%、いすゞはマイナス45.9%と大きく台数を落としている。

 BYD以外の中国系メーカーも軒並み前年比マイナスとなっており、BEV販売トップのBYDの値下げの動きのインパクトがいかに大きいものなのかも知ることができる。

 しかし、BYDが牽引したとはいえBEV販売は前年比プラス、日本車のお家芸でもあるHEV(ハイブリッド車)は前年比68.7%増となっているのに、全体では20%以上のマイナスとなっている。いったいいま、タイの新車販売市場には何が起こっているのだろうか。

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