自動車大国ドイツで日本の旧車は人気! 一方「日本の新車」は「安さがウリのクルマ」という扱いだった (2/2ページ)

可もなく不可もなくこだわりのない人が購入しているイメージ

 とくにここ10年ほど前からドイツの若者に日本車の旧車人気がすさまじく、関連イベントは毎回かなりの大盛況で、その熱気には圧倒される。最新モデルよりも、むしろ1990年代の日本車のほうが、人気を集めているのかも知れない。

 私のまわりのドイツ人のなかに日本車オーナーは非常に少ないのだが、購入理由を聞いてみると「価格」、もしくは「親が所有していたので、子どものころからクルマといえば日本車だった」という意見が聞かれた。

 たとえばトヨタ・カローラのステーションワゴンを所有する方によると、「可もなく不可もなし。クルマに選びに大きなこだわりはなく、家族全員が乗れて荷物が収まればいいので、安くてそこそこのグレードで十分」といい、とくにクルマへのこだわりや趣味性を求めない層に支持をされている一方で、年金生活者のシニア層にも人気だ。

 日本でのラインアップがドイツ市場で販売されているというワケではない上に、必ずしも日本の人気車種がドイツ人のライフスタイルに合うとは限らないので、販売車種が随分と絞られているのが残念なところだ。日本で販売されている人気車種をドイツ人に見て貰えれば、きっと彼らの日本車に対する考えは、少し変わるのではないかと予想する。

 トヨタ車を例にすると、日本では一日に必ず何台も遭遇し、街に溢れ返っている大人気車種のプリウス。ドイツでも長年販売されてはいるもののまったく人気がなく、年間で考えてもわずか数台しか見かけることはない。あえていうのなら、都市部のタクシーとしてプリウスプラス(日本名:プリウスα)が利用されており、むしろタクシーというイメージのほうが強いのではないだろうか。また、日本の高級車の代表格であり、ステータスの象徴のレクサスも、ここドイツではほとんどその姿を目にする機会はなく、ドイツ人にはその存在さえ知らない人もいるくらいだ。

 20年程前までは、自動車のみならず家電やオーディオも日本製品のドイツでの地位はもっと高かったと感じるが、家電やオーディオ類はほぼ姿を消し、昨今はそれに代わって韓国や中国製が店頭に並び勢力を拡大している。残る自動車業界には頑張って踏み止まって貰いたいところだが……。


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