アメリカのモーターショーは軒並み縮小でかつての見る影もナシ! もはや試乗会イベントになっていた (2/2ページ)

試乗コーナーの併設で展示ブースがようやく埋まる状態

 開催直前からOCAのテレビコマーシャルがガンガンと地元ではオンエアされていたのだが、そのなかで「世界30のブランドが集結」といった告知をしていた。しかし、会場に到着して場内を見まわすと、とてもではないが30ブランドがブースを構えているようには見えなかった。

 展示車を複数台数展示しているブランドを数えても16ほどしか確認できない。そのなか、会場を歩いていると、スーパーカーや超高級ブランド車が1台ずつ展示してあるコーナーがあった。そこを足し、さらに展示のほかに試乗コーナーもあるのだが、1台しかないブランドや試乗のみ参加しているブランドを足すとようやく30となった。

「それはないだろ」と思ったのは、フィアットやアルファロメオはともかくとしても、クライスラーやジープ、ダッジといったステランティスグループのなかのアメリカンブランド系が展示ブースを構えていなかったこと。ローカルとはいえアメリカ国内開催の自動車ショーで、アメリカンブランドが展示ブースを構えないというのはかなり衝撃的であった。メルセデス・ベンツやアウディもブースを構えていなかった。

 展示会場面積自体はコロナ禍前に来たときと同じであったのだが、コロナ禍前には会場内すべてが展示ブースとなり、それこそ30以上のブランドが展示ブースを構えていたのだが、今回は会場全体の半分とまではいかないものの、一般車両とBEV(バッテリー電気自動車)の試乗コーナーとなっていた(コロナ禍前は試乗コーナーは地下に設けられていた)。

 メーカーも一部協力しているところもあるようだが、地元ディーラーの「手弁当感覚(展示車両をもち寄る)」で開催されているとされるOCAもメジャー自動車ショーと同じく開催規模が縮小されていた。コロナ禍前には「南カリフォルニア商用車ショー」も併催されていたので、楽しみにしていたのだが、会場内にそのようなものもなかった。

 OCAの売りは世界的テーマパークや、メジャーリーグのホームグラウンドに近く、周囲に住宅地も広がる市街地に会場があるのに、ICE(内燃機関)車については一般公道で試乗が行われることにある。専用試乗コースを設ける自動車ショーは多いが、一般公道で試乗を行うというのはなかなか珍しい。

 当然、出展ブランド個々がプレスカンファレンスを行うこともないので、それを追いかける必要もない。会場では筆者のほかに数人のインフルエンサーが展示車を熱心に撮影している程度であり、車両撮影もサクサクと進み、その後はゆっくりと展示車両個々をチェックすることができた。展示車両も間隔を広めに展示していることもあるのか、一般公開日の様子を見ても来場者でごった返しているという印象はなかった。

 帰国日を前日に控えてのショー取材であったが、非常に充実した時間を過ごすことができた。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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