バス&トラックの運転士不足による物流や旅客の危機! お客側の我々にも協力できることはある!! (2/2ページ)

労働環境の改善には業者だけでなく一般ユーザーの強力も必要

 そしてもうひとつ、気をつけるべきは大型車用の駐車場に普通車を停めて、運転手の休憩の機会を奪ってしまうこと。高速道路のSAやPA、道の駅など大型車の駐車スペースがあるところで、一般車用のスペースが空いていないからといって、安易に大型車用スペースに停めてしまう人がいます。バス、トラック、タクシーなどの運転手は、連続して運転できる時間が4時間までと定められています。4時間以内に1回あたり連続10分以上、合計30分になるように運転を中断することが求められます。高速バスや貸切バスは、連続2時間までの運転となるよう努めることとされているので、こまめな休憩が必要となるのです。

 運転手がスムースに休憩が取れるよう、私たち普通車のドライバーが気遣うことで、クルマ社会全体の安全運転につながります。

 また、もし引越しを考えている人がいたら、計画はなるべく早めに立てましょう。3〜4月上旬など年度末や新生活スタートを迎える時期や土日・祝日は混雑し、利益を優先するあまり引越しトラックの運転手が無理を強いられるケースがあってはならないからです。空いている時期なら料金も抑えられることが多くなるので、ぜひ効率よくなるよう計画したいですね。

 さらに、一般道では、路線バスにも優しい心遣いを。バスが発車の合図を出しているのに、無理に追い越しをしようとしたり、合流させないような人を見かけます。路線バスが予定通りに運行できなければ、それだけ運転手の休憩時間が減ったり、取れなくなってしまうことも。路線バス優先の道路では、優先の時間をしっかり守ってスムースな運行をサポートしてあげましょう。

 また、ついついやってしまいがちなのが、家族などを迎えに行ったときに、駅前の道やロータリーで停められるスペースがないからと、バス停や待機場所を塞いでしまうこと。「ちょっとだけだから」と思うかもしれませんが、バスはそのちょっとの時間が大事です。乗る人にとっても到着時間や発車時間が遅れて大迷惑となりますので、マナー違反の駐停車はやめるようにしましょう。

 運送会社やバス会社、タクシー会社の人たちだけが頑張って労働環境の改善に努めるよりも、周囲の私たちも一緒になって理解して気遣ってあげることで、社会全体をよくしていきたいですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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