この記事をまとめると
■駐車監視員がチェックするのは放置駐車違反の車両に限定されている
■違法車両確認標章をフロントガラスに張り付けた瞬間に放置車両違反が成立する
■一度ステッカーを貼られてしまったら取り消しは不可能
違反切符の処理中はギリセーフ?
駐車違反・駐停車違反の取締り件数は、年間15万9258件(2022年)。2006年の道路交通法改正で駐車違反の取り締まりが強化される前年(2005年)は159万3377件だったので、それまでの10分の1近くまで減っている。
それでも取り締まり件数でいえば、7番目に多い違反なので、いまでも身近な交通違反のひとつだ。
2006年の道路交通法の改正以降、路上の放置車両の確認は、警察署長から放置車両確認事務を受託した法人のスタッフで、有資格者(みなし公務員)の駐車監視員、いわゆる「緑のおじさん」によって行われることが多い。
この緑のおじさん=駐車監視員がチェックするのは、放置駐車違反の車両に限定されていて、車両に人が乗っている車両はたとえ停車違反でも、対象外になる。
したがって、駐車監視員が放置車両違反のクルマを見つけたときは、最初に駐車規制適用除外車両でないことを確認し、次に車内をチェックし、人が乗っていないかを確認。そして違反状況の証拠となる写真を撮影し、そのデータを処理。そのあと、違法車両確認標章(黄色いステッカー)をプリントし、フロントガラスに貼り付ける。
この黄色いステッカー(違法車両確認標章)をフロントガラスに貼りつけた瞬間、放置車両違反(駐車違反)が成立することになっている。
したがって、駐車監視員が駐車車両を見つけて、車両を確認し、写真を撮影し、違法車両確認標章をプリントするところまでは、まだ法的にはペナルティなしで乗り切れるので、ギリギリセーフ!
駐車監視員にクルマを囲まれていたとしても、黄色いステッカーがまだ黄色いおじさんの手に残っているタイミングなら、「ちょっと待った~~~」と大声で叫んで、貼付を阻止することに成功できればノーペナルティ……となるわけだ。
そのかわり、一度ステッカーを貼られてしまったら、泣いてもわめいても取り消しは不可能。
緑のおじさんのことを民間人だと思って、凄んだり暴言を吐いたりして、放置車両の確認事務を撤回させようとしても、前述のとおり、駐車監視員はみなし公務員なので、無理を通そうとすると公務執行妨害罪等で罰せられるので要注意。