ほぼ「JOY抜き」でも9月単月でN-BOXは2万5000台を販売! 圧倒的No.1キープの裏に見える不安要素とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2024年9月単月の車名別新車販売ランキングでもホンダN-BOXがトップになった

■登録車では納期遅延が解消しつつあるトヨタ車が上位にランクインしている

■コンパクトカーでは日産ノートがトヨタ・ヤリスを抑えてトップとなっている

2024年9月の車名別新車販売台数

 9月は事業年度(4月~翌年3月)締めでの上半期末となり、新車販売では「上半期末決算セール」が展開され、事業年度末となる3月に次ぐ量販の期待できる月となっている。

 2024年9月単月の車名(通称名)別新車販売ランキングを自販連(日本自動車販売協会連合会/登録車)、全軽自協(全国軽自動車協会連合会/軽自動車)それぞれの統計を合算すると、販売トップはホンダN-BOXとなった。2万4953台とギリギリ2.5万台には到達しなかったのだが、「約2.5万台」という表現を用いると、ここまで販売台数を伸ばしたのは2023年3月の約2.8万台以来となっている。

 2位で同じく軽自動車となるスズキ・スペーシアに1万台ほど差をつけてのトップなので、販売トップ常連のN-BOXらしい圧勝ともいえるのだが……。

「ホンダは9月27日にN-BOX派生となる『N-BOX JOY』を発売しています。うがった見方をすれば、10月以降はN-BOX JOYを積極的に販売促進していかなくてはならないので、標準及びカスタムシリーズ両方の在庫車について、購入見込み客への販売促進強化やディーラー名義などで自社届け出を行い『在庫一掃』を行ったのではないかと見ることもできます」と事情通は語ってくれた。

 軽自動車では、「販売ランキングトップ」というフレーズは販売促進活動時には「キラーフレーズ」となり、N-BOXを人気モデルにしている大きな要因となっているともいえる。そのため、軽自動車では販売台数上積みのためともいえる自社届け出はどのメーカーでも恒常的に行われている。そのなか、N-BOXは先代までは自社届け出により発生した「届け出済み未使用軽中古車」というものがそれほど目立っていなかったのだが、現行モデルとなってからはその存在が目立っている。

 今回の約2.5万台のなかにも相当数の自社届け出車両が含まれているものと考えられるので、10月以降、中古車市場に未使用中古車が多く流通する可能性がある。したがって、10月以降の新車販売への影響がかなり気になるところだ。「標準・カスタムは未使用中古車、JOYは新車で」というパターンに主力購入スタイルが変化するのではないかとも見ている。

 登録車販売トップは、6月以降トヨタ・カローラシリーズとなっていたが、前年同月ほどの勢いはないものの、久しぶりにトヨタ・ヤリスシリーズがトップとなっている。これは、人気モデルのヤリスクロスが出荷再開されたことが反映されているものと見ている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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