これがルノー・キャトルって……全然違うじゃん! 一見似ても似つかないけどプロの目でみたらちゃんと「キャトル」していた!! (2/2ページ)

似ているだけでなく商品性ももつ新型ルノー4

●オリジナルを生かしつつ流行商品に昇華させる

 次はサイドパネルの表情。左右のボンネットラインがフロントまでぐるりと回り込んでいるのがオリジナルの特徴ですが、新型はこの形状も再現。今回のショーでは、ブラックとオレンジメタリックのツートーン版の写真も公開されていますが、その塗りわけがまさにこのラインに沿っているのです。

 3本の水平ラインは、オリジナルの樹脂プロテクターからインスパイアされたものとか。たとえば、かつての日産のパイクカーであるパオがそうであったように、こうした表現は適度な道具感を与えることができ、ルノー4の現代版としては的確な手法です。

 また、オリジナルはドアハンドル下を走る強いキャラクターラインが特徴で、新型はこれも再現しているのですが、もっと弱く、ドア面の「折り」を作っている程度。このあたりも現代的な造形といえそうです。

 細かいところでは、フロントフェンダーに置かれた充電口に施される斜めのラインもオリジナルの切り込み線を再現したものかと。さらに、3分割されたLEDのテールランプもオリジナルのオマージュで、シンプルなリヤパネルにアクセントを与えています。

 さて、最近のルノーは5(サンク)やトゥインゴなど、往年のヒット作の復活プロジェクトが目立ちますが、単にそれっぽく似せるのではなく、それぞれに商品性を持たせている点がユニークだと思えます。

 このルノー4 E-Tech Electricでは、オリジナルの道具感を引き出しつつ、ホイールアーチのプロテクターや大径タイヤなど、最近流行のコンパクトSUVとしてまとめているのが巧いところです。

 市販は2025年の予定ですが、ほぼこのままの姿での登場を期待したいですね。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
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オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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