有名ブランド以外のタイヤには手を出すな……は昔の話! 安いタイヤの代名詞「アジアンタイヤ」はいま「使い方」さえ選べば「アリな選択」だった (2/2ページ)

カーライフにマッチしているかを見極めればアジアンタイヤもあり

 そんな北米を含めて、グローバルで近年、アジアンタイヤが台頭してきた背景には技術的な要件もある。たとえば、タイヤメーカー各社における技術進化が進むなかで企業間の競争が激しくなり、アジアンタイヤメーカーでも最新鋭の研究開発拠点をもち、製造工程でも日本や欧米に負けないような高度な設備をもつようになった。

 研究開発を担うエンジニアも、多方面から募集したり、また自社内での育成プログラムを拡充させることで商品の精度やクオリティを高めてきたのだ。

 そうした経緯について、筆者は複数のアジアンメーカー関係者と別々の場で意見交換をしたことがある。そこでよく出るのが「商品を見る顧客の目が厳しい日本市場で、自社の製品の成果を確認し、グローバルでさらなる市場拡大を目指したい」というコメントだ。

 また、「後発での市場参入するからには、ブランドとしての特徴が必要」という認識でも一致する。

 ただし、ひとことでアジアンタイヤといっても、企業の規模や歴史にはかなり差がある。そのため、アジアンタイヤメーカー各社の経営状態や経営方針によって、タイヤの商品性には当然違いがある。

 その上で、もっともわかりやすいのはコスト競争力の強化だ。日本や欧米のタイヤブランドと比べても性能的に遜色がないことを示した上で、リーズナブルな価格設定をする。または、使用条件をある程度限定することを念頭に価格を抑えるといった手法だ。

 ユーザーとしては、こうしたアジアンタイヤ各ブランドの商品力については、各社が発信する情報を確認するとともに、タイヤを販売している現場の声をしっかり聞いて、自分のカーライフスタイルにマッチしているかどうかをユーザー自らで見極めることが必要だ。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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