この記事をまとめると
■新車は走行距離が0kmではない状態で納車される
■完成したあとにクルマを動かす必要があるためその時点から走行距離が加算されていく
■国産車は4〜10km、輸入車だと30〜40kmが納車までに加算されることがある
完成した新車は納車までにさまざまなシーンで自走する
新車は製造されたあと、点検を受けて、生産工場のなかを自走して移動する。このときには、すでに積算走行距離計が作動しており、走った距離に応じて数値が増えていく。さらに、車両を運搬する船舶やキャリアカーに積むときも、積算走行距離計は作動する。このほか、ディーラーオプションなどを取り付ける物流センター、納車する車両を駐車しておくモータープールなどでも車両は自走する。販売会社に到着して、ユーザーの自宅に届けるときも、当然ながら積算走行距離計が動く。
以上のような事情から、日本車の販売店に尋ねると「納車時の走行距離は車両によって異なるが、短い場合で4kmくらいは走っている。多い車両は10km前後に達する」としている。これは仕方ないだろう。
輸入車は、車両の完成後に現地の工場で検査のために走る距離が、日本メーカーの車両よりも長いことがある。さらに輸入車は、日本に運ばれたあとも、港の近くに設置された広大な施設で各種の検査を受ける。海外から長期間の輸送を行うため、通関の手続きを行ったあとで車両を入念に洗浄する。改めて外観、各種のメカニズムや機能の作動確認、日本の保安基準に適合しているかのチェックも行う。
このあとは屋根の付いた広い保管場所に収められ、キャリアカーなどに積んで、販売会社へ出荷される。輸入車は以上のようなプロセスを経るため、納車されたときの積算走行距離が30〜40kmに達している場合もある。
それでも新車を買って、積算走行距離が長くなっていると、ユーザーとしては気分がよくないだろう。走行距離が長すぎると思ったら、販売店に問い合わせてみたい。