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ハの字タイヤに横向きマフラー……普通の人からみたら「違法っぽいクルマ」だけどそりゃ偏見! じつは合法なクルマのカスタム3つ (2/2ページ)

ハの字タイヤに横向きマフラー……普通の人からみたら「違法っぽいクルマ」だけどそりゃ偏見! じつは合法なクルマのカスタム3つ

この記事をまとめると

■過激に見えるカスタムでもすべてが違法改造とは限らない

■カスタムごとに違法とならないためには押さえるべき「要点」がある

■合法での改造範囲は広がったがイベントで目立つには物足りないケースが多い

クルマのカスタムは合法なものも多くなった

 自分の愛車を自分好みに仕立てるカスタムは、カーライフを楽しむうえで重要な要素のひとつです。大昔は「改造=悪いこと」という認識だったので、社外品のマフラーに替えただけで即検挙、なんていう時期もありましたが、時代を経るにつれて以前のような迷惑行為も減っていき、徐々にカスタムへの風当たりが緩やかになってきました。カスタムパーツメーカーもコンプライアンスを気にした製品作りを心がけるようになって、全体的に健全な印象になった感があります。

 そしてそんな風潮に加えて、諸外国の要請や、規格、規定のグローバル化の流れもあり、クルマを取り巻く規制も徐々に緩和されるようになっています。それらの影響で、いまではカスタムという行為に対して眉間にシワを寄せる人はかなり少なくなったと感じます。

 しかし、そんな状況のなかでも、たまに「えっ、それってアリなの!」と驚くようなカスタムが施された車両に遭遇することもあります。そんなときに「あれは合法なのだろうか?」という疑問が浮かぶという人も少なくないのではないでしょうか。

 ここでは、そんな「一見過激なカスタムに思えるけど、じつは(要点を押さえれば)合法なんだよ」という例を3つ、ピックアップして紹介してみたいと思います。

タイヤが超ハの字のネガティブキャンバー

 公道で見かけた際に「えっ、あれ走っていいの?」と思ってしまう可能性が高いのが、ボディからタイヤやホイールが大胆にハミ出している、通称「鬼キャン車」でしょう。

 車両を正面から見たときに、車輪が左右に傾いているのを「キャンバーが付いている」といいます。上部が外に傾いているのが「ポジティブキャンバー(通称:ポジキャン)」、内に傾いているのが「ネガティブキャンバー(通称:ネガキャン)」といいます。そして、常識外れのネガキャンを「鬼キャン」と呼びます。

「スタンスネーション」などの車高短系イベントに行くと、「これで走れるの?」と思ってしまうレベルのキャンバーが付いた車両がゴロゴロ参加していますが、たまに公道でもちょっとビックリするくらいはみ出しているクルマも見かけます。

 印象だけではとても“合法”には思えませんが、場合によってはハミ出し自体はOKなこともあるんです。

 フェンダーからのタイヤ&ホイールのハミ出しに関してはきっちりと保安基準が定められています。普通の考えではハミ出し自体がダメだと考えますが、実際は“ハミ出してはいけない部分”が決められているんです。

 具体的には、「自動車が直進姿勢をとった場合において、車軸中心を含む鉛直面と車軸中心をとおりそれぞれ前方30度及び後方50度に交わる2平面によりはさまれる走行装置の回転部分(タイヤ、ホイール、ステップ、ホイールキャップ等)が当該部分の直上の車体(フェンダー等)より車両の外側方向に突出していないもの。」とあります。

 つまり、ホイールの中心を通る垂直軸を、中心を軸に前に30度、後ろに50度傾けた線とフェンダーのアーチで囲まれた扇形の範囲がフェンダー端の垂直ラインからはみ出してはならないということです。逆にいうと、その範囲以外の部分はハミ出しとは見なされないということになるんです。実際には、ホイールの中心から下の部分はフェンダーからハミ出しても大丈夫ということになります。

 それに加えて、車検では直進性の確保のために「サイドスリップ」という検査項目があります。キャンバーを大きく付けるとこの値にも確実に影響を及ぼすので、キャンバーに合わせて「トー角」の調整も必要になります。

 そして、実際の問題として、その状態が車高短の世界で評価が得られるかという点がありますし、実用の面でブレーキが利きにくかったり、タイヤの片減りなどさまざまな難点を抱えることになるので、合法かどうか以前に覚悟が必要でしょう。

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