コロナ禍あたりから増えてきた「展示車」「試乗車」の販売! 潜む「リスク」と「お得に買うコツ」 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■最近の自動車ディーラーではショールーム内に展示車を置いてない場合も多い

■納期遅延の影響の名残で展示車の販売に積極的な店舗も目立つ

■展示車上がりの中古車は価格面で旨味が薄い場合があるので要注意だ

即納の展示車に注目が集まる

 昔の新車ディーラーといえば、ショールーム内に展示車が複数台など、積極的に展示されていたのが一般的であった。しかし、いまどきはショールーム内に展示車が置いてあることのほうが珍しくなってきている。

 その理由のひとつが、定期点検のためにお客が自車両を店頭にもち込み、終わるまで待つという「もち込み点検整備」というスタイルが定着したことが大きい。過去にはセールスマンとメカニックの朝一番の仕事といえば、その日に点検入庫予定のクルマを手分けしてお客のもとから引き取る作業となっていた。そして、日中に作業を終えたクルマを夕方再びお客のもとへ届け終え、サービス工場の仕事は終わっていた。

 もちろんお客自らがもち込むというケースもあったが、「引き取り及び納車」が主流であった。しかし、働き手不足などさまざまな理由からそれも困難となり、いまのスタイルに落ち着いている。

 とくに引き取り&納車スタイルでの点検整備が主流だったころに建設された小規模店舗では、「商談客+点検待ち客」というキャパシティは想定しないので、商談のほかに点検待ちスペース作りのためにもショールームに展示車を置けないということもある。また、ショールーム内に車両が置いてあると「汚い」と思う人も少なからずいるといったこともあるようだ。さらには、いまや新車購入検討時に試乗車を試乗するお客も多いので、ナンバープレートをつけ、「展示&試乗車」として用意するケースも目立ち、屋外展示が主流となっているものと考えられる。

 それでも、ナンバープレートのついていない展示車が置いてあるショールームが現存する。そのようなディーラーへ行くと、その展示されている車両について納期がかかるようなケースだと、「この展示車ならすぐに納車できますよ」と、展示車を勧められることが意外なほど多い。

 それこそ昭和後期や平成初期には、現在のような販売するための展示や試乗車用として区別することなく、ディーラーはメーカーから仕入れていた。そのため自社の販売目的で仕入れた在庫車のなかから適宜セレクトして展示していた。筆者の知る限りは、展示車も販売のためのストック車両としてリストアップされており、セールスマンは受注車両の当該車が自分の手元に届いて初めて「展示車上がり」とわかるケースも多かったようだ。

 筆者もその当時「展示車では?」と思える車両が納車されたことがある。そのときはそのまま引き取ったが、それ以後は「工場出荷時のまま」ということで、車内のシートにかけられたビニールなどはそのままにして納車するように指示しており、販売用と試乗、展示車用で区別して仕入れるようになった現在でもそれを実施してもらっている。また、一部のセールスマンは注文書の特記事項に「展示車おことわり」みたいな記載をしてクレームなどを防いでいた。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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