高速コーナーの速さはピカイチ
新型GRヤリスの最大の特徴が、車両剛性およびエンジンのトルク性能の向上で、この両面はダートトライアルにおいても効果が高く、「これまでGRヤリスのMTに乗っていたんですけど、この新型は剛性が高いうえに、エンジンのトルク性能が向上したことで、とても乗りやすくなりました。とくに高速コースは凄くいいですね。それにDATは極めてシフトがスムーズで、シフトミスも少なくなりました。NクラスはMTも参戦していますが、十分にDATモデルで戦えると思います」と河田選手が語れば、今大会で初めてGRヤリスを投入した杉尾選手も「ランサーの改造車からGRヤリスのDATに乗り換えたんですけど、車両は軽いし、足まわりとタイヤ、ホイール、あとは前後のデフとロールゲージやアンダーガードを入れた程度でほぼノーマルの状態なんですけど、剛性は十分に高いと思います」と好感触を掴んでいるようだ。
そして、いち早くGRヤリスを投入し、旧型モデルでも優勝経験をもつ岸山選手は、「もともとGRヤリスは北海道のオートスポーツランド砂川や丸和オートランド那須のように車速が速くて高速コーナーの多いコースを得意としていて、逆にエビスサーキットやサーキットパーク切谷内のようなストップ&ゴーの中低速コースを苦手としていました。その傾向は後期モデルでも変わりませんが、前期モデルと比べるとボディ剛性が高くなったことで、ステアリングのレスポンスがよくなりました。いままでは反応は薄かったんですけど、わかりやすくなったので、ラインを外さなくなりました」と分析している。
このように3名のドライバーともに、新型GRヤリスに対して好感触で、最終戦のテクニックステージ・タカタにおいても3名は迫力あるドライビングを披露。残念ながら、河田選手はNクラスで13位に留まったほか、杉尾選手が挑んだPNE2クラスは参加台数が1台のみで不成立となったが、岸山選手がNクラスで2位に入賞するなど、素晴らしい走りを披露しただけに、2025年は全日本ダートトライアル選手権においても新型GRヤリスが躍進するだろう。