長年「出ては消え出ては消え」の繰り返し……もレクサスLBXがついに打破! 日本車が苦手だった「小さな高級車」苦戦の歴史を振り返る!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■世界的には「小さな高級車」は60年以上も前から存在する

■日本車でも「小さな高級車」を目指したモデルがいくつがあった

■日本車では失敗続きの「小さな高級車」だがレクサスLBXがそんなジンクスを覆しつつある

じつは長い歴史を持つ「小さな高級車」

 小さな高級車を紐解くと、ミニの開発者であるアレックス・イシゴニスが開発し、1962年に登場したBMCのADO16、バンデンプラ社のバンデンプラ・プリンセスが思い浮かぶ。そもそも、ロールスロイスのユーザーのセカンドカー、狭い道を通り抜けられる小さな高級車として開発され、全長3740×全幅1550×全高1370mmのボディの佇まいは凛とした高級車そのもの。

 豪華な室内には最上級のコノリーレザーや、上流階級のためのピクニックテーブルなどが用いられた、真の上流階級向けの、いわばロールスロイスのミニ版、小さな高級車であった。

 バンデンプラ・プリンセスは筆者の年齢的にも乗ったことはないのだが、筆者がモータージャーナリストになりたてのころに実際に試乗したフランスの小さな高級車が、ルノー5(サンク)バカラだ。バカラのネーミングの由来はもちろんフランスのラグジュアリークリスタルブランドであり、ルノー5をベースに内外装を高級化。もちろん、シートはステッチにも凝った本革である。

 5バカラは、筆者が1988年に書いた、おそらく業界初の輸入車に特化した単行本、「ぼくたちの外車獲得宣言」の巻頭カラーページに、VWゴルフGTI、ポンティアック2000GT、ランチア・テーマieターボとともに登場させた。

 この時代の外車としてどうしても紹介したかった1台であり、雨のなか、ラゲッジルームにルイ・ヴィトンのバッグを山積みしたシーンを撮影している。「キミがいて、バカラがいて、降りそそぐ雨が、クリスタルな時を刻む。ふたりはもう、フランス映画のスクリーンの中」なんていうくさいキャッチコピーを添えて(書いたのはボクですが、恥ずかしい……傘を持っているのが筆者です)。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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