1トン切りの車体に660馬力のエンジンとか危うい魅力プンプン! スイスでまた1台とんでもないクルマが爆誕した (2/2ページ)

わずか21台しか生産されない希少なスーパースポーツ

 駆動輪はもちろん後輪。サスペンションはバネ下重量の最小値と安定性を得るために、運動学的部分を軽くするための構造部品のシミュレーションが繰り返され、結果として理想的なプッシュロッド方式のダブルウイッシュボーンサスペンションが完成。それは同時に高いステアリング精度を生み出すことにも貢献している。路面からドライバーに伝わるインフォメーションを重視するために、通常のゴム製ジョイントではなく、ボールジョイントを採用しているのも、このサスペンションの特長。

 タイヤはピレリがテクニカルパートナーとなっており、フロントに19インチ径、リヤには20インチ径のPゼロ・トロフェオがチョイスされている。

 前で触れたとおり、コンパクトなボディサイズでまとめられたピカソ・オートモーティブの660LMSだが、そのエクステリアデザインは、じつにダイナミックで有機的な造形でまとめられている。それが理想的なエアロダイナミクスを有していることは詳しく説明するまでもないところ。同社によれば、そのダウンフォースは最大で(最高速である315km/h時に)960kgに達するとされる。

 ピカソ660LMSのセールスはすでに開始されているが、その生産台数はわずかに21台。注目の価格は82万ユーロ(原稿執筆時のレートで約1億3300万円)。世界のスーパーリッチが、このコンパクトでスパルタンなスーパースポーツに注ぐ視線は、限りなく熱いものに違いない。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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