クルマの紙カタログの廃止はアリorナシ? ディーラーの経済的負担は減るけれど「物理的なカタログ」の役目もまた大きい! (2/2ページ)

いまでも紙カタログは商談時の大切なツールのひとつ

 そこで、たとえばマツダのカタログでは、モノクロの諸元表や装備品表は、カラー刷りの車両カタログとは別冊にして差し込まれている。マツダに理由を尋ねると、「細かな改良によって一部の数値だけが変更されたとき、差し込んでいる諸元表や装備品表だけを刷り直せばいいから」と返答された。

 そして車両が改良されると、販売店は古いカタログを廃棄、あるいは返品して、新しいカタログを購入しなければならない。ときどき、改良前のカタログを改良後も配り続けていることがあるが、購入しておきながらムダになっているカタログも多数あるようだ。

 以上のような理由でカタログは廃棄されるが、紙に印刷された写真は、ウェブサイトとは比較にならないほど美しい。データをチェックするだけならカタログは不要だが、ユーザーを魅了するためには大切なツールになる。

 とくに納期の長い車種を契約して納車を待っている間は、カタログをときどき眺めて、納車した後のドライブの計画を立てるといった楽しみ方もするだろう。クルマは趣味の対象になり得る商品だから、美しいカタログの果たす役割も大きい。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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