タクシー&バスドライバーはお先にどうぞのパッシングを信用しない! 疑ってかからざるを得ないプロドライバーの世界 (2/2ページ)

性善説が通用しなくなってきている

 多様化が声高に叫ばれる時代となり、まさにさまざまな価値観を持った人のなかで日々生活するようになっているなか、タクシーは「看板」を背負って日々街なかを流しているので、いかがわしいことを考えている人の格好の餌食になりやすいのである。

 過去には自転車がタクシーめがけて当たってきて賠償金をせしめようという人(通称:当たり屋)が想定外に多く世のなかにいたのだが、ドライブレコーダーを装着するようになってからは、冷静に検証することができるので、それほど多くは遭遇することはなくなったようである。

 客観的に立証できなければ、「プロドライバー」がゆえに警察も深入りを避け、タクシー側の過失が高いという判断を行いがちであったが、ドライブレコーダーの映像という客観的な証拠が残るようになってからは、いつでもどこでも「タクシーが悪い」ということはなくなったようである。

 タクシー運転士という仕事は、置かれている立場や日々の運転を通じ、まさに「日本社会の縮図」を手に取るように実感できる仕事ともいわれている。「むやみに他人を信じるな」とは悲しいことだが、これも自己防衛のため現代社会では必要なことなのかもしれない。

 最近ではスマホアプリ決済でも、車載器で決済が完了するまで目的地についてもドアを開けてくれないことが目立ってきた。スマホアプリならばほぼ確実に料金徴収できるのだが、現金あるいはカードで払うといったものの、ドアを開けた瞬間に車内から逃げ出す……つまり「無賃乗車」もあとを絶たないのだから仕方ないのかもしれない。

 無賃乗車の末、逃げようとして運転士さんが捕まえようとした瞬間に運転士さんに暴行すれば、「強盗傷害罪」という重罪に問われかねない事案を起こすことになるのだから、「酔っていたから覚えていない(泥酔した上で前後不覚となり、結果的に無賃乗車の末運転士に暴行というのもかなり多いのである)」といってもあとの祭りとなるので十分気を付けてほしい。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報