そういう意味でも、今回発表された「TOYOTA GAZOO RacingとMoneyGram Haas F1 Teamの自動車産業の未来を見据えた業務提携」は、念願であったのかもしれない。これによると、TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)とMoneyGram Haas F1 Teamは、MoneyGram Haas F1 Teamの車両開発分野などにおいて協力関係を結ぶことに合意し、基本合意書を締結。世界最高峰のモータースポーツであるFIAフォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)において、日本の若手ドライバーやエンジニア・メカニックが経験を積み、成長する環境を整え、自動車産業の発展に貢献することを目指すという。
これはつまり、TGRの育成ドライバー、エンジニア、そしてメカニックをMoneyGram Haas F1 Teamのテスト走行に送り込むということ。ドライバーはF1での走行経験を積むことが可能となり、エンジニアとメカニックは、走行データなどの莫大なデータの解析ノウハウを学ぶことができる。さらに、TGRのエンジニアとメカニックは、MoneyGram Haas F1 Teamのレーシングカーの空力開発にも参画する。極限の使用環境下を想定したシミュレーションとカーボン部品の設計・製造を実際に行うことで、自動車業界の最先端の技術と知見に触れることができる、というわけだ。