この記事をまとめると
■2024事業年度における上半期販売台数が発表された
■自販連と全軽自協の統計を合算するとホンダN-BOXがトップだった
■登録車では納期改善の影響もあってトヨタの勢力が大きい
N-BOXの復活はJOYに託された
自販連(日本自動車販売協会連合会)から登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から軽自動車について、2024年9月単月締めの車名(通称名)別販売台数が発表になるということは、2024事業年度(2024年4月~2025年3月)締めでの上半期(2024年4〜9月)締めでの累計販売台数ランキングも発表されたことになる。
自販連と全軽自協の統計を合算すると、2024事業年度締め上半期販売台数トップは10万2226台を販売したホンダN-BOXとなった。ホンダはさっそくこの件について10月4日にリリースを発信している。N-BOXは9月27日に派生モデルとなる「N-BOX JOY」を発売している。2024年10月からはこの「JOY」が販売台数に上積みされることになるので、今後もN-BOXが販売トップの常連となることはますます揺るぎないことになりそうである。
2024事業年度締め上半期のN-BOX累計販売台数は10万2226台、前年累計比101.8%、2022事業年度締め上半期比約117%、2021事業年度締め上半期比約113%、2020事業年度上半期比約112%と、コロナ禍となってからの過去の累計販売台数比ではプラスとなっているのだが、2019事業年度締め上半期比約75%、2018事業年度締め上半期比約87%とコロナ禍直近比ではプラスとなっていない。
とくに現行モデルとなってからは勢いの衰えが拭えない状況が続いており、販売台数上積みのための自社届け出の産物ともいえる、届け出済み未使用軽中古車の存在も目立っている。今回のN-BOX JOYの投入はまさしくそのような販売状況への「カンフル剤」的役目があるようだ。
総合ランキングでも軽自動車のみでもN-BOXに次いで2位となっているのはスズキ・スペーシア。スペーシアは9月20日にN-BOX JOYとは少々毛色は異なるが、レジャーユースを意識した「スペーシアギア」の新型を発売している。
数字で見るとN-BOXに2万台強の差を付けられているのだが、スペーシアの未使用中古車がそれほど目立たないことを考えると、スズキは車名(通称名)別での販売トップというよりは、ブランド別の販売トップを狙っているようだ。その点ではライバルのダイハツが一連の不祥事の影響で販売台数が落ち込んでいることもあり、自社届け出を目立つほどに行ってまで販売台数の上乗せをする必要もない。その点ではスペーシアの販売台数が、ある意味人気軽自動車としての適性ともいえる販売台数なのかもしれない。