この記事をまとめると
■環境保護の観点からマイカー規制する場所や区間が増えている
■地域によって導入時期がバラバラ
■場所によっては自転車やバイクの通行も規制している
環境保護のために一般車の進入が規制される「マイカー規制道路」
自然豊かな景色のなかを自分の愛車でドライブするのはとても気もちのいいものですね。とくに、バスや電車など、公共交通機関の便がよくないところほど、マイカーで行きたい気もちになると思います。ところが近年、主に環境保護や事故防止、混雑防止や動物保護などの観点から、マイカーを規制する場所や区間が増えているのです。
「富士山スカイラインはマイカーだとEVとFCVしか入れない規制がある」、「上高地はシャトルバスに乗り換えが必要」というのは有名なのでご存じの方もいると思いますが、「令和5年度自動車利用適正化対策実施計画」によれば、通年で実施しているところや期間限定、季節限定というところを合わせると、全国で41カ所にものぼります。その年によって、災害の状況などで規制を実施しない区間もあるようですが、マイカーでのドライブを計画する際には確認したほうがいいですね。
まず通年で実施しているのは、日光の小田代原と歌ヶ浜。小田代原は一般車両の通行禁止で、観光シーズン中はハイブリッドやEVのバスによる有料シャトルバスとなっています。歌ヶ浜は作業用車両以外はすべて通行不可となっています。屋久島や奄美大島でも、自然環境保護のためにさまざまな規制がありますので要チェックです。
北から実施地区名を紹介していくと、北海道は知床の「道道知床公園線」が夏期、大雪山の「町道高原温泉線」「一般道道銀泉台線」が秋期のマイカー規制。支笏洞爺の「市道定山渓豊平峡ダム線」は5月から11月程度までのマイカー規制で、ハイブリッドバスの運行があります。
青森県は十和田の「国道102号線」「蔦沼周辺」「県道駒ヶ岳線」での複数日にわたる規制。宮城県の「市道浄土ヶ浜海岸線」もマイカー規制があります。福島県の裏磐梯「雄子沢川駐車場」では駐車場の閉鎖が約1カ月に渡って行われ、群馬県の尾瀬「県道津奈木鳩待峠線」も約半年間のマイカー規制です。尾瀬は福島県側でもマイカー規制があります。
また、志賀高原、谷川岳、戸隠、立山や乗鞍、石川県の白山、山梨県の「南アルプス公園線」ほか、紅葉でも有名な吉野山では大規模なマイカー規制が実施されます。瀬戸内海では海水浴期間に全車両の進入が禁止となり、紫雲出山地区では事前にオンライン予約でマイカー入山チケットを販売し、混雑を緩和するといった規制も実施されます。
冬期のマイカー規制があるのは、鳥取県の大山。主にスキー客の混雑緩和を目的として、一方通行となったりシャトルバスへの乗り換えを誘導したりといった規制があります。そして、高知県土佐清水市の足摺岬では、基本的に通行止めで観光シーズンにはシャトルバスを運行。住民などは通行可能となっています。
ちなみにこうしたマイカー規制の区間では、ほとんどのところが二輪車や自転車の通行も不可となりますので、ルールを守りたいですね。
クルマで出かけるときには、あれもこれもと荷物をたくさんもっていきがちですが、途中でマイカーを駐車し、そこからは最小限の荷物で出かけられるような準備も必要です。事前の情報収集と、計画的なパッキングで楽しい旅にしたいですね。