せり上がる道路に回転する道路! 日本全国の「可動橋」が見ずに死ねるかレベルの芸術だった (2/2ページ)

観光で見に行くなら天候を確認したうえで夕暮れどきがおすすめ

全国の代表的な可動橋と見どころ

 日本全国にはさまざまな可動橋が存在する。関東エリアでは東京・豊洲にあるアーバンゲートブリッジが勝鬨橋と同じ「跳開橋」として稼働している。

 関西エリアでは、前述した天橋立廻旋橋のほか大阪港の夢洲(ゆめしま)と舞洲(まいしま)を結ぶ世界初の旋回式浮体橋「夢舞大橋」が有名だ。ただ、開閉は現在訓練時に限られていて、日常的に見られるものではない。

 九州地方では、筑後川昇開橋以外にも多くの可動橋が現存している。北九州市門司には「ブルーウィングもじ」が全長約108mの日本最大級の歩行者専用跳開橋として知られている。1日に6回、毎日跳ね上がる様子を見ることができる。熊本県にあるのが上天草と下浅草を結ぶ赤い色が印象的な昇開橋「本渡瀬戸歩道橋」がある。この橋は船舶が通過するときに随時可動している。

可動橋を見に行くときの注意点とベストタイミング

 可動橋の開閉は、多くの場合、大型船の通過に合わせて行なわれる。そのため、観光目的で見学する際には、事前に開閉の時間帯を確認しておくことが重要だ。一般的に、港湾施設のウェブサイトや地元の観光案内所で情報を得ることができる。

 また、可動橋の開閉は、天候や海の状況によって変更や中止になることもある。とくに、強風時や悪天候の際は安全のため開閉が行なわれないことが多い。見学の際は、天気予報もチェックしておくといいだろう。

 撮影のベストタイミングは、開閉の瞬間はもちろんのこと、夕暮れどきも狙い目だ。多くの可動橋はライトアップされており、日没後の幻想的な姿も魅力的である。三脚を使用した夜景撮影にもおすすめのスポットとなっている。

 可動橋は、技術の進歩とともに新しい形式も開発されている。たとえば、2014年に完成した徳島県の「加賀須野橋」は、最新のテクノロジーを駆使した「車道橋として国内最大の可動部を有する昇開橋」として利用されている。このように、可動橋は単なる交通インフラではなく、技術の粋を集めた芸術作品としても評価されているのだ。


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