この記事をまとめると
■パトカーが白黒のツートンカラーとなったのは昭和30年だ
■法律で「パトカー=白と黒のツートン」であるべきと定められていない
■消防車は法律で車体の色が定められている
パトカーの色はなんでもOKだった!?
上野動物園で飼育されていたジャイアントパンダのリーリーとシンシンが、9月29日に中国に返還されたニュースが流れたが、パンダといえば、日本のパトカーはパンダカラー=白と黒のツートンで定着している。
この白黒ツートンは、昭和30年に全国統一されたカラーリングだ。
白と黒の組み合わせは、弔事に使う白と黒が交互に並んだ幕=鯨幕を連想させて、あまり縁起がいいようには思えないが、なぜこの色の組み合わせがパトカーに選ばれたのか?
愛知県警のHPにはその理由について次のように書かれている。
「パトカーが日本に初めて登場した当時は、日本で生産される自動車の色は白色がほとんどで、パトカーも白一色だとちょっと見ただけではパトカーと一般の自動車との見分けがつきませんでした。そこで、パトカーであることが一目で分かるようにするために、白色ボディの下半分をその反対色の黒色にぬりました」
これが白黒パトカーのはじまりだ。
ちなみに、道路交通法施行規則によると、通行区分の特例を受ける都道府県警察が使用するパトカーは、車体の全部または上半分を白色に塗る必要があるとなっているが、パトカー=白と黒のツートンと定めた法律はない。
兵庫県警のHPにも
「パトカーは、なぜ白と黒の2色なのですか? → 法律により、とくに2色に決められている訳ではありません。しかし、国の規則で、「容易に識別できるように塗装しなければならない」と定められています。また、道路交通法施行規則の通行区分の特例を受ける都道府県警察において使用する自動車は、車体の全部もしくは上半分を白色に塗った自動車と定められています」
と明記されていて、それを裏付けている。
同時に、白黒のツートンカラーは、パトカー専用のカラーリングというルールもないので、警察以外の企業、団体、個人が、パトカーそっくりのボディカラーにしても、法律上はまったく問題ない。警備保障会社の車両などが、パトカー風のカラーが多いのもそのためだ。
ただし、赤色灯に関しては「道路運送車両の保安基準」第42条の「その他の灯火等の制限」で、緊急自動車の警光灯を除き認められていないので要注意。緊急自動車以外は、点灯しない状態でも赤色灯を備え付けるだけで保安基準違反になる。
また、○○県警、POLICE、機動隊といった名称や、ロゴ、マークなどを表示するのも法規に反することなので、パトカーのレプリカにあこがれる人は、こうした規則に抵触しないよう気を付けてほしい。
余談だが、同じ緊急自動車でも消防車は法律で車体の色が定められている。
「道路運送車両の保安基準」第49条第2項:「緊急自動車の車体の塗色は、消防自動車にあっては朱色とし、その他の緊急自動車にあっては白色とする」
消防車=赤で定着しているが、厳密にいうと消防車の色は朱色らしい。
そして救急車の色が白なのも、上記の保安基準が根拠だからだ。