中国メーカーでもEVでなくてもミニバンのSF化が止まらない LEVC L380 LEVC(London Electric Vehicle Company)は有名なロンドンEVタクシーを作っている会社ですが、じつは2013年にはボルボカーズの親会社の中国ジーリー・ホールディンググループ(浙江吉利控股集団)に併合されています。2018年には、レンジエクステンダーEVタクシー、「TX」をジーリーと共同開発したことは大きなニュースにもなりましたね。
LEVC TXのフロントスタイリング 画像はこちら
そんな彼らの最新モデルが「L380」と名付けられたEVミニバン。ご覧のとおり、我々日本人からすると強烈なデジャブ(既視感)、ずばり「トヨタ・エスティマの二番煎じかよ」と突っ込みたくなるようなそっくりさん(笑)。エスティマがモデルチェンジして、EVになったらこんな感じかな~と思えば、さほど腹も立ちません。実際、LEVCのプラットフォームはTX同様に独創的で、「EV新世代」を見据えた画期的なものとされています。
LEVC L380の走行シーン 画像はこちら
なお、LEVCによる開発ながら、L380は最初に中国市場へと導入される模様で、ロンドンでタクシーとして活躍する(かもしれない)のは少し先になりそう。とはいえ、ロンドンで「未来チックなエスティマ」っぽいクルマが走っているシーン、早く見てみたいものです。
ボルボEM90 ジーリーグループの未来を担うのはLEVCだけではありません。むしろ、未来のEVミニバンはこちらボルボが先駆者だったかと。EM90が発表されたときは「ついに未来が来た」くらいのインパクトを覚えたものです。
ボルボEM90のフロントスタイリング 画像はこちら
3列シートを備えながら、あえて6人乗りに仕立ててお得意の北欧風おもてなしインテリアをこれでもかと装備するあたり、ジーリーの目ざとい戦略が垣間見えるポイント。また、ミニバンではわりとお約束装備のパノラミックサンルーフといえども、EM90はカーテンとアンビエントライトによってオーロラだって再現。これを未来といわずして、という雰囲気ビンビンですね。
ボルボEM90のシート 画像はこちら
むろん、中国のCLTCテストサイクルによる航続距離は最大738kmに達し、0-100km/h加速は8.3秒、バッテリー残量10%を80%まで充電するのに30分(急速充電時)と、EVのツボだって押さえまくり。ボルボ初のEVミニバンといえども、ジーリーグループのアドバンテージでそつなく仕上がっているに違いありません。
ヒョンデ・スターリア 最後は中国でなく、こちらも未来感がハンパないヒョンデのスターリア。EVではありませんが、2021年にスタイリングが発表された時点で、やっぱり「エスティマのソックリさん」呼ばわりされていましたが、これはエスティマの先進性、先取のスタイルをほめるべきで、ヒョンデのデザインワークはさほど悪くないどころか、かなりスタイリッシュ!
ヒョンデ・ストーリアのフロントスタイリング 画像はこちら
ステルスヘッドライトや、シックスライトのサイドビューもきれいに整っています。未来というより、さらにその先の宇宙船をイメージさせるようなフロントラインなど、日本国内でも「ほしいなぁ」の声がたくさん上がっているようです。といっても、アルファードより大きい全長5255mm×全幅1995mm×全高1990-2000mm(韓国仕様)というサイズはシーンを選びそう。
ただし、スターリアは韓国国内だけでなくアセアン諸国や欧州でのニーズを狙っており、当初の3列7人乗りから、10人乗り(マレーシア)仕様が発売されるなど、しっかりと独自路線を進んでいる模様。
ヒョンデ・ストーリアの10人乗りシートレイアウト 画像はこちら
なお、どうしてもほしいという方に向けてマレーシアの10人乗り仕様の価格をご紹介すると17万9888リンギットから20万9888リンギット(約560万〜650万円)となり、3グレードが用意されているとのこと。未来チックな10人乗りのわりに、手が届きそうなお値段ではないでしょうか。