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少し前まで「飲酒運転」は違反じゃなかったとか日本は正気か!? 法改正の歴史と現在の罰則とは (2/2ページ)

少し前まで「飲酒運転」は違反じゃなかったとか日本は正気か!? 法改正の歴史と現在の罰則とは

この記事をまとめると

■飲酒運転を禁止する規定が道路交通法に追加されたのは1960年

■呼気1リットル中に0.25ミリグラム以上のアルコール濃度で一発免取りになる

■酒酔い運転には呼気中アルコール濃度の規定がなく警察官の判断に任せられている

1960年以前は飲酒運転に関する意識が低かった!

 年末年始や冠婚葬祭といったとき、「今日はクルマで来ているからアルコール類はダメなんですよ」といっているのに、「ひと口くらい大丈夫だって」とビールなどをすすめてくる高齢者を見かけたことはないだろうか。なぜ高齢者になると飲酒運転に対して寛容になるんだろう……と不思議に思うかもしれないが、飲酒運転に対する法律や罰則の歴史を知れば、それはある意味で仕方がないことだと理解できるかもしれない。

 現在の道路交通法では第六十五条において『何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない』と明記されており、条文通りに理解すればひと口でも飲酒した状態で運転することを禁じているわけだが、飲酒運転を禁ずる条文が追加されたのは1960年のこと。それ以前は、飲酒運転は違法行為ではなかったと認識されていても不思議な話ではないのだ。

 仮に、運転免許をもっていない75歳の高齢者がいたとして、その人物が小学生の年齢だったころには、世間的に飲酒運転が大手を振って行われていたといえる。

 たとえば、宴会でさんざん飲酒した親戚のおじさんがクルマを運転して帰っていくといったシーンを何度も見かけ、道路交通法改正に関する情報がアップデートできていなければ、令和の現在であってもドライバーに飲酒をすすめてしまうという背景・心情は理解できる。

 ちなみに飲酒運転に対する罰則が生まれたのは1970年以降だが、それでも20世紀は罰則が甘く、飲酒運転に寛容な時代だった。コンプライアンスという言葉が使われることもなかった1990年代には、自動車関連のイベントでアルコールが振る舞われることも珍しくなかった。

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