いかにも強そうな名前の「ブレードバッテリー」! BYD自慢の安全性とコスト面で優れるバッテリーは何がどう凄いのか? (1/2ページ)

この記事をまとめると

BYDのEVは「ブレードバッテリー」という独自のバッテリーを採用する

■ブレードバッテリーは他ではあまり使われない「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」だ

■安全で安価なのが特長

ブレードバッテリーってなんだ?

 2023年に日本市場での販売を開始した中国の自動車メーカーBYD。現在のところ、日本市場では電気自動車(BEV)のみの展開となっている。そんなBYDの車両は、他メーカーのBEVとは大きく異なるポイントがある。それが独自技術といえるブレードバッテリーを搭載している点だ。今回はこのBYDのブレードバッテリーについて解説する。

正極の材料が違う!

 ブレードバッテリーとほかの多くのBEVバッテリーの大きな違いが素材だ。一般的なBEVバッテリーは三元系リチウムイオンバッテリーと呼ばれるもので、ニッケル、コバルト、マンガンの3つの元素を正極に使用している。それに対してBYDのブレードバッテリーは、正極にリン酸鉄を使用したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーとなっている。

 多くのBEVが三元系リチウムイオンバッテリーを採用するのには理由がある。それはエネルギー密度が高いので、低温時に性能の低下が抑えられるからだ。それにエネルギー密度が高いということは、バッテリー容量を増やしやすく、航続距離を伸ばしやすいということにもなる。

 対してリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、エネルギー密度が低く、低温時に性能が低下する傾向がある。三元系リチウムイオンバッテリーとは真逆だ。このように端的にそれぞれのバッテリーの特徴を書くと、三元系リチウムイオンバッテリーのほうがBEVに適しているように見える。

BYDのBEVモデルが評価される理由

 ただ、三元系リチウムイオンバッテリーにも欠点がある。それはコストだ。希少金属を使用するため、コストが高くなってしまうのだ。なので、コスト面でいえばリン酸鉄リチウムイオンバッテリーのほうが優位となる。

 よく、BYDのBEVモデルの高評価なポイントとして価格の安さやコストパフォーマンスの高さが挙げられる。これは、BEVモデルとして、航続距離や機能を考えると安いといった評価と同時に、この高評価の根底には、BYDの車両の肝であるリン酸鉄リチウムイオンバッテリーからなるブレードバッテリーのコスパのよさも含まれている。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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マツダ・ロードスター(NB8C後期型)/ボルボV40 T4
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