タクシー運転士になるための高いハードル「地理試験」が廃止! 試験の中身と本当に不要なのかを「合格経験者」に聞いた (2/2ページ)

とにかく暗記するしかなかった地理試験必勝法

地理試験の内容と合格点

 地理試験は、前述したとおり地図上の道路名や建物名を選択肢のなかから回答する問題や、施設・建物がどの市区町村にあるかなどを答える試験です。つまり、地図を読むことができ、目印になりやすい建物や施設の住所と場所を把握しておく必要があります。このようなことから、難易度が高く合格率が約50%となっているのです。

 ちなみに、地理試験の問題は全40問、試験時間は60分で、80%以上(32問以上)の正答率で合格となります。合格発表については、試験を受けた当日にされるため、その場で次のステップに進めるかどうかが決まります。

試験対策と勉強方法

 難易度が高く関門ともいわれる地理試験の対策は、ひたすら暗記するしかありません。また、休みの日に地図を片手に、その場を実際に走って、その土地の住所や建物の位置関係を把握する人もいます。

 地理試験に合格するためには、とにかく覚えるしかありません。しかし、これが意外にも難しいのです。加えて、一般的な読み方ではない場所や土地、市や区の境いめにある建物や施設の住所なども正しく覚えなければならないため、思っている以上に苦労するのです。

地理試験を受けた感想

 実際に地理試験を受けたことがある筆者が感じたことは、出身地・地元や現在住んでいる場所の近くであれば難なく答えられるものの、日頃行かない場所や右も左もわからない場所を覚えるのは大変だということです。

 しかし、地理試験に合格しなければ、タクシー乗務員になることができなかったため必死に覚えました。筆者は、暗記科目が苦手なだけでなく、出身地・地元ではない場所でタクシー乗務員になったため、地理試験を複数回受けて合格しました。

 また、地理試験を受けている人のなかには5回以上受験している方もいたことから、地理試験は難しい試験といえるでしょう。地理試験が廃止となったことについてどう思うか聞かれたら、「羨ましい。簡単に乗務員になれるということですね」と答えるでしょう。


齊藤優太 SAITO YUTA

ライター/インストラクター/ジャーナリスト

愛車
A4 35 TDI
趣味
ドライブ・洗車・音楽鑑賞・楽器演奏
好きな有名人
BLUE MAN

新着情報