デロリアンとフォードGTをEVで蘇らせた! 単なるEVコンバージョンじゃないリンクス・モータースの激熱な「新車」 (2/2ページ)

当時のシャシーとボディ金型を使用するGT1e

 このDMC-EVに前後して発表された「GT1e」は、こちらもそのスタイルから容易に想像できるとおり、初代フォードGTをオマージュしたハイパフォーマンスEVだ。

 リンクス・モータースがこのGT1eの開発プロジェクトを立ち上げる直接の理由となったのは、スイスのジュネーブを拠点とするレーシングカー・コンストラクター、マテック・コンセプト社が、かつてFIA GT1とル・マン24時間レースのためにフォードGTのレースバージョンを開発。そのときに使用しストックされていたシャシーとボディの金型を、リンクスモータースが譲り受けることができたことにあった。

 GT1eは2ドア・2シーターのハイパーカーだ。4輪に搭載されるエレクトリックモーターは各々600馬力、トータルで2400馬力の最高出力を発揮し、0-96km/h加速を1.5秒という驚異的な数字でこなすほか、最高速ではじつに496km/h以上を記録する実力を秘めている。

 搭載されるバッテリーは、負極にシリコンナノワイヤーを使用したアンプリウス製の先進的なリチウムイオンタイプで、その容量は100kWh。最大航続距離は400kmというから実用性も十分に確保されていることがわかる。充電規格はもちろんNACS(TESLA)方式となる。

 オンロードを走行可能な自動車として、世界最速のタイトルにこのGT1eでチャレンジするというリンクスモータース。その生産台数はシャシーのストック数に限りがあるため27台と計画されており、価格は250万ドルからの設定。

 その走りを体験できるスーパーリッチは、はたしてこの日本からも名乗りをあげてくれるだろうか。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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