この記事をまとめると
■タイヤの接地面が変形して平らになった部分を「フラットスポット」と呼ぶ
■半月程度の放置でも発生するが乗っていればすぐに直る
■長期間クルマを動かさない場合は空気圧を高めに設定すると症状を抑えられる
タイヤが平らになる!?
タイヤというのは真ん丸なのが原則だが、過積載や空気圧不足、あるいは1カ月を超えるような長期間の駐車放置などが原因で、タイヤの接地面が変形し、一部が平らになってしまうことがある。
これがいわゆる「フラットスポット」。
モータースポーツなどでは、フルブレーキでタイヤをロックさせ、その状態のまま数メートル直進し続けることで、タイヤの接地部だけが摩耗し、円ではなく、Dの字状の外形になるフラットスポットができることもあるが、ABS付きの車種では、ブレーキロックによるフラットスポットができる心配はほとんどない。
このフラットスポットが生じると、走行時はゴトゴトとした不愉快な振動が起きてしまう。
フルブレーキ=タイヤロックが原因のフラットスポットは別として、1週間から半月程度の長期駐車によるフラットスポットは、タイヤのコードの変形特性によるものなので、走り出して数分(数km)は、振動が続くが、タイヤが温まりゴムが実用温度に達すると正常な形状に戻り、フラットスポットが消失することが多いので問題ない。
一方で、タイヤの空気圧が低い状態で長時間放置していたり、過積載でタイヤが変形してしまった場合は重傷で、クルマを走らせてタイヤを十分に温めても、振動が収まらないことがある。
そうした場合、まず空気圧を高めに入れて様子をみるしかないが、それでも改善しなければ、タイヤを買い替えるしか改善策はない。これは、タイヤをロックさせてフラットスポットを作ってしまったケースでも同じこと。
こうしたフラットスポットを防ぐには、まず適正な空気圧の管理が第一。そして、積載重量、乗車定員を厳守すること。さらに、長期間の止めっぱなしはできるだけ避ける。できれば最低でも1週間に1度、20分以上は連続して走り続けるようにしたいところ。
どうしても、長期間クルマを止めっぱなしにしなければならないときは、タイヤの空気圧を高めにしておくとフラットスポットの予防になる。指定空気圧の+20kPaぐらいがひとつの目安だ。
また、フラットスポットは、外気温が低くタイヤが冷えているときに症状が出やすいので、夏から秋、秋から冬への季節の変わり目には、空気圧を普段以上にこまめにチェックし、指定空気圧を下まわらないようにメンテナンスしてあげよう。