クルマ好きの理想はコレだよコレ! いま考えると「スマートロードスター」は夢のようなクルマだった (2/2ページ)

パワーこそないものの軽快さがクセになる

 一方で、ロードスタークーペのルーフは左右に2分割してはずすことができる「ディタッチャブルハードトップ」が備わっています。強化ポリウレタンフォーム製となっており、片方の重さが5kgなので簡単に取り外しが可能。外したあとはラゲッジスペースに格納できるようになっているので、出先でちょっとだけオープンエアを楽しみたい、なんてときに取り外すこともできます。

 そして、リヤに搭載されるエンジンは、698ccの直列3気筒SOHCインタークーラーターボ。専用チューニングのため最高出力82馬力、最大トルク11.2kg-mで、スマートシリーズとしては1番パワフルなユニットです。トランスミッションは、当時セミオートマとか2ペダルMTとか呼ばれた6速MTの「ソフタッチ」で、ステアリングにはパドルも付いていて、思いどおりのシフト操作が行えるようになっています。

 後輪駆動のRRレイアウトなので、走りはとってもヤンチャかつ爽快。過度な制御技術も付いていないため、いまドライブしたらかなりドライバーの腕前に頼るところが大きいと感じる乗り味かもしれません。

 タイヤサイズがロードスターは15インチ、ロードスタークーペは16インチで、車両重量はロードスターのほうが20kg軽量となっているので、やはりロードスターの方がよりライトウエイトスポーツらしさを楽しめるモデルと位置付けられていると感じます。

 ラゲッジスペースはフロントに深さのあるスペースがあり、リヤには浅い小さなスペースがありますが、全体の容量はロードスターが145リットル、ロードスタークーペが248リットルほど。実用的とはいえませんが、旅の荷物もギリギリ積めるくらいには備わります。そんなところも、等身大で遊べるコンパクトスポーツカーとしてはちょうどいい要素。

 ちなみに発売当初の価格は、ロードスターが255万円、ロードスタークーペが278万円。インテリアなどが上質になる「BRABUS」や、本革シートとなる台数限定の特別仕様車などもリリースされたので、中古車市場でお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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