緊急車両通行時の対応でわかる運転モラル! アメリカの例をみると日本もまだまだと感じる (2/2ページ)

クルマ社会のアメリカだけに交通マナーやモラルに関する意識は高い

 アメリカでも日本と同じように、緊急車両の走行を優先させるために道を譲る必要がある。実際に南カリフォルニアの市街地道路を走行中には、緊急車両のサイレンの音が聞こえたので道路の端にクルマを寄せようとしていると周囲の地元の人が運転する車両が物凄い勢いで自車両を道路端に停めていることがあった。そしてすぐに後方からサイレンを鳴らしたパトカーがかなりの速度で走り抜けていった。情報を探っていると、とにかく瞬時に車両を道路端に停めなければならないとのことで、マゴマゴしていたらパトカーに違反切符を切られたとの情報もあった。

 伝聞なので信憑性は怪しいが、アメリカのパトカーや消防車は、日本の緊急車両のように交差点を徐行通過などはせずに、現場まで猛スピードで一気に駆け抜けるとのこと。アメリカではとにかく日本よりも早いタイミングで緊急車両通過のために、スピード感を持って自車両を道路端に停車させており、それが徹底されている。

 ただ、なかには、交差点で緊急走行していた消防車と出合い頭に一般車両が衝突するなどの大クラッシュが起こり、消火現場に到着できなかったということも発生しているようである。

 法令順守や運転マナーが大前提で車両を停止させているのだろうが、マゴマゴしていると緊急車両に突っ込まれるという判断もあるように筆者は感じている。とにかくアメリカでは、市街地でもハンパではないスピードでよくパトカーなど緊急車両が緊急走行しているのは間違いない。

 たまたま筆者が遭遇しただけなのかもしれないが、一時期、南カリフォルニアで停電が頻発していた。ある日、街なかを運転していると、双方の道路が片側4車線ぐらいでさらに左折(日本での右折)レーンが2車線用意されるという大きな交差点の信号が停電で作動していなかった。そんなときでも、警察官が誘導しているわけではなくとも、お互い譲り合って大きな混乱もなくその交差点を通過することができた。

 また、信号のない交差点では「オールウェイストップ」ということで、どちらか一方が優先道路ということもなく、一時停止義務のある交差点が片側4車線の道路でも当たり前のように存在している。この場合は、先に進入した車両から優先して交差点を通過することができるように譲り合いをすることになる。ある場所では7差路(7つの道路が交差する)の交差点がオールウェイストップだったのだが、そこも譲り合って各車が通過していた。

 日本人は規範意識が高いとはよくいわれるが、ことクルマの運転についてはアメリカのほうが運転マナーやモラルなど、総合的には高いように見える。

 誰も起こしたくて事故を起こすわけではない。くれぐれも安全運転、そして周囲に配慮した運転を心がけてもらいたい。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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