この記事をまとめると
■風がクルマに与える影響は大きい
■風速15m/s〜20m/sの風が吹くと高速道路では速度規制が入る
■風速20m/s以上の風になると高速道路が通行止めになる
ただの風と甘くみるべからず
秋は台風シーズンともいわれている、過去の台風の記録を見ると、発生・接近・上陸ともに、7月から10月にかけてもっとも多い。台風が近づいてきたときは、強い風にも注意が必要だ。
その風がクルマに与える影響を、風速ごとに確認しておこう。
■風速10~15m/s
気象庁ではおよそ10m/sの風が吹くと、強風注意報を出すといわれている。
風速10~15m/sになると、高速道路などに設置されている吹き流しが真横になるくらいの強さで、クルマの速度域が高いと風でクルマが流されるような感覚になり、乗用車でも、横風の影響を感じるレベルの風の強さとなる。
■風速15~20m/s
高速道路の走行では、風の影響を受けてハンドルを取られるクルマが増えてくるレベル。風速15m/sを超えると、高速道路では、最高速度規制が入ることが多い。
■風速20m/sオーバー
風速20m/s以上の強風は、高速道路が通行止めになる目安といわれている。軽自動車やミニバン、ワンボックスなどは横風をまともに受けると転倒するリスクが出てきて、人間も立っていられなくなるほどの風の強さだ。
というわけで、風速15m/sになると、通常のスピードでは運転が難しくなるので、できるだけ運転を控え、安全な場所に待機するのが無難だ。
また、台風接近時には、強風の影響で看板やカーポートの屋根などの飛来物が車体にぶつかる可能性も出てくるし、樹木や塀などが倒れてくることもある。
運転中以外でも、JAFのテストによると、風速30m/sで車内からドアを開けようとすると、成人男性でもドアを押さえきれず勢いよく開いてしまうことがわかっているので、ドアの開閉にも注意が必要だ。
走行中でいえば、 海岸沿いや橋の上はとくに風が強いので要注意。
トンネルの出口と防音壁の切れ目は、瞬間的に強い横風が吹きやすく、山の切り通しと山間部は局地的に風が強くなりやすいエリアなので、とくに危険度が増すところ。
ドライビングで気を付けることは、とにかくスピードを下げること。無風でも空気抵抗は速度の二乗に比例するので、風の強い日は速度を下げるに限る。
突風にあおられても、急ハンドルを切ったり、急ブレーキを踏むのは厳禁。強風の影響に備えて、つねにハンドルをしっかり握って運転すること。
そして、風の影響を受けやすい、大型トラックやバス、ミニバンやワンボックス、軽のハイトワゴンからはできるだけ距離を置くようにしよう。乗用車、とくにスポーツカーは、比較的風の影響を受けにくいが、横風や後ろからの追い風にはそれほど強いとはいえないので、車高の低いクルマや、空力性能のいいクルマでも強風に対し油断しないことが肝心だ。
天気が荒れることが予想される場合は、天気予報をこまめにチェックし、不要不急の外出を控え、出かけてしまったあとでも、危険を感じたら早めに安全な場所に避難して、天候の回復を待つのが一番だ。