SUBARU レヴォーグ レイバックの販売が絶好調! やっぱりステーションワゴンは消えちゃならん!! (2/2ページ)

根強いニーズがステーションワゴンの需要を支える

 また、ツーリングについては、海外仕様と比べると全長が短くなっており、ステーションワゴンとして考えると荷室スペースも含め使い勝手が悪く、結果的に短期間で乗り換える人も多いと聞く。

 筆者の私見でいえば、過去にスバルがラインアップしていた「インプレッサ・スポーツワゴン」のようなキャラクターと捉えたほうがいいだろう。つまり、「荷物が多く積めるハッチバック」である。

 日本のカローラツーリングのボディサイズは全長4495×全幅1745×全高1460mmとなっている。一方でたとえばイギリスでラインアップされている、ツーリングスポーツのボディサイズをみると、全長4650×全幅1790×全高1460mmとなっており、全幅が45mm拡大、全長が155mm延長されている。全長に関してはグローバル仕様のセダン(イギリスはラインアップされていないのでタイ仕様のカローラ・アルティス比)より20mm長くなっている。

「欧州での販売はステーションワゴンがメインとなるようです。かつて欧州でラインアップされ、日本でも欧州から輸入して販売していたアベンシスのポジションを補完する意味もあり、サイズアップしているようです」とは事情通。

 ドイツ国内のタクシーといえば、かつてはメルセデス・ベンツEクラスセダンやステーションワゴンばかりであったが、いまではカローラツーリング スポーツも大活躍している。イギリスでも「カローラ コマーシャル」というツーリング スポーツベースのモデルをラインアップしており、ライドシェア車両などとして活躍しているようである。HEV(ハイブリッド車)でもあるし、実用性の高いステーションワゴンとして欧州市場では重宝されているようだ。

 全体的には世界に目を向けてもクロスオーバーSUVに押され気味に見えるのがステーションワゴン。しかし、東南アジアなどの新興国では、自動車市場の成長とともにステーションワゴンに注目が集まっている。中国・上海汽車が東南アジアではMGブランドとしておもに乗用向けのESやビジネスユースをメインとしたEPといったBEV(バッテリー電気自動車)ステーションワゴンをラインアップしている。

 とくにEPは、モデル自体も古いので完全にビジネスユースメインかなと思いきや、街なかではプライベートユースでも結構乗られている様子がうかがえる。モーターショー会場に展示しても、目新しさはないのだが、ステーションワゴン自体が珍しいこともあるのか、来場者の多くが立ち止まって展示車をチェックしていることが多い。

 また、BMWのMパフォーマンスやアウディRSといった、ハイパフォーマンスなステーションワゴンのモーターショー会場への出品も、タイやインドネシアのオートショーへ出かけると目立ってきている。

 ただし、前述した中国MGのような新規参入例はかなり珍しいものともいえ、ステーションワゴンをラインアップするブランドは世界的に見ても少ない。そのなか、スバルは古くはレオーネ、そしてレガシィツーリングワゴンでノウハウを培い「スバルのステーションワゴン」というものを確立させており、それが世界でも認められているといえよう。

 トヨタもいまはカローラ系のみとなってはいるものの、かつては幅広いラインアップを構築していたこともあり、いまのカローラツーリングのように、仕向け地に合わせたボディサイズを用意するなど、手慣れた様子を見て取れる。

 市場規模は、今後も爆発的な回復を見せることはまず期待できないものの、根強いニーズが期待できるステーションワゴン市場(新興国の一部では注目されてきているし)は、まさに「継続は力なり」ではないが、ラインアップを続けてきたブランドが大切にしてきたカテゴリーともいえるので、完成度が高く、もっともねらい目のボディタイプといえるかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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