ありそうでなかったハイルーフトラックの「二段ベッド」! 2024年問題対策に今後の需要が高まる可能性アリ (2/2ページ)

今後は二段ベッドの需要が高まる可能性もある

 まずはある国産トラックメーカーに「どうしてハイルーフ車に二段ベッド仕様がないのか」を尋ねてみた。

「キャンピングカーメーカーが二段ベッドのキットを用意しているところもあるみたいですけど……。メーカーとしては用意していないですね」という回答。そもそも需要がないため設定していないという状況のようだ。これまで長距離トラックのドライバーはひとりで運転して荷物を運んできたから、ベッドはひとつで足りたのだ。

 その証拠(?)にボルボとスカニアにも二段ベッドの設定は基本的にはない。ただし、スカニアは「オーダーしてもらえば対応できるかもしれません」という返答。つまり、これまではそういったオーダーはなかった、ということか。

 ルーフ部分にベッドを設置しても「冬は寒くて夏は暑い」という状況になって利用しにくい、という意見もある。しかし、断熱材を貼り込んで電動コンプレッサーのエアコンを導入すれば、ルーフベッドも快適性を高めることはできそうだ。

 今年4月から、トラックドライバーの残業時間も労働基準法に準拠することが義務付けられ、ドライバーひとりの走行時間は限られることになった。荷待ち時間の短縮など、拘束時間を見直すことでもある程度改善はできるだろう。さらに、東京と大阪を往復する長距離便などは、途中の静岡に中継地点を作り、荷物を交換したりトラックを交換することで、お互い日帰りできるような運行方法も始められている。

 それはそれとして、ドライバーふたりが乗車して、4時間毎に運転を交代すれば、16時間から20時間くらい走行を続けることもできる。そうなるとふたり同時に休憩する時間も必要だから、二段ベッドの必要性が生じてくる。

 走行中に休むとなると、ルーフベッドより座席後部のほうが快適だろうが、これからは二段ベッドの需要も高まりそうだ。


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