トラックも「繋がる」時代で「いまの状態」が手に取るようにわかる! ただし「管理しすぎ」は反発必至か? (2/2ページ)

メーカーの垣根を超えた管理が可能に

 一方、三菱ふそうトラック・バスではテレマティクスサービスとして「トラックコネクト」を商品化している。これは、稼働中の車両情報をインターネット経由でリアルタイムにチェックできるというものだ。トラックの情報は、モバイル回線を経由してデータベースに蓄積される。ユーザーである運輸事業者が専用サイトにアクセスすると、車両の現在地や運行状況を把握できるという仕組みだ。掌握可能な具体的データは、

・車両の位置・軌跡状況把握
車両のリアルタイムな現在位置を地図に表示。稼働経路・駐停時間など、走行軌跡も把握可能。

・安全運転情報
急発進・急制動などを感知し、危険運転の傾向を表示。

・燃費情報
燃費の推移を、日次・月次単位で把握。そのデータを基に、燃費を自動計算して集計。

・車両管理
車両の稼働状況を基に、過去と今月の走行時間・アイドリング時間などを比較。

・遠隔診断
エンジンの故障を知らせるDTC(診断トラブルコード)を検知し、リアルタイムに通知。

・エリア管理機能
事前に登録した特定のエリアに出入りすると、リアルタイムに通知。

 といったデータを基に、車両トラブル時の対応・業務効率の改善・危険運転の予防などに生かすことができる。

 この「トラックコネクト」の位置情報が「MOVO Fleet」のデータベースと連携できるようになったと発表された。これは、すでに「トラックコネクト」を利用しているトラックが、「MOVO Fleet」も使えるようになるということである。同時に、そうでない場合でも「MOVO Fleet」の端末を装着することで、「トラックコネクト」の利用が可能になるのだ。多くの場合、運輸事業者は複数のトラックメーカーの車両を使用している。このシステムを利用すれば、どのトラックでも「トラックコネクト」の位置情報を利用できるようになるのだ。

 以前から、デジタコなどで車両管理をするシステムが広く導入されているように、運輸事業者にとって安全・安心・効率などといった面から、自社車両の動向把握は必要不可欠なことである。トラックメーカーの垣根を超えて、詳細な車両管理が可能になる今回の提携は多くの運輸事業者が歓迎していることだろう。

 もちろん、トラックドライバーにとっても運行支援につながる点は大きな利点といえる。ただ、運行データをもとに厳しい評価が行なわれるようなことがあれば、反発が大きくなることも懸念されるのだ。便利なシステムであっても、事業者ごとの実状に合わせた適切な運用を構築してこそ、期待どおりの効果を発揮できるのではないだろうか。


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