「コールドテナー」は環境にも優しい
製品化に向けて開発が進められている「コールドテナー」は、環境の面からも期待が大きい。冷凍・冷蔵車は多くが専用車になっており、基本的にはそれに対応する荷物しか運搬ができない。宅配専用車両のなかには、冷凍・冷蔵室を備えたものもあるが、それは車両荷室に固定されたものだ。
同製品は、コンテナボックスとして独立したタイプ。容積は22~915リットル、温度制御は-35°~+40°の範囲に対応が可能で、コンテナを独立した荷物と同様に運用できる。また、センサーを取り付ければコンテナ内部温度の管理を、遠隔で行なうことができるようになる。ECサイトの普及で小口配送が増えるなか、温度管理が必要な荷物を臨機応変に運搬ができるようになれば、輸送効率の向上にもつながるのではないだろうか。
トラックには荷物だけではなく、工具や洗車用品など、メンテナンスにかかわるアイテムなども積んでおく必要がある。その場所として最適なのが、デッドスペースとなっているサイドバンパー部分だ。サイドバンパーはトラックの安全装置であり、装着していなければ車検に通らない。
しかし、「LAGO(イタリア)」のツールボックスはそのサイドバンパーの代用が認められているので、安心して装着ができる。バリエーションもツールボックスだけではなく、消火器ボックス、救急箱、水用タンクなどがある。積載効率に影響を及ぼすことなく、デッドスペースを有効活用できるという斬新なアイディアだといえよう。
これらは、5月に横浜で開催された「ジャパントラックショー2024」に出展されたものの一部である。トラック・運輸業界の最新テクノロジーといえば、運行管理システムや安全装置、あるいは自動運転、EV化などが話題になりがちだ。
しかし、トラックドライバーの日常業務に焦点を当てた、明日にも役立つこういった技術の積み重ねにも、もっと注目するべきなのではないだろうか。