大阪万博で活躍する姿がみられるか? 屋根上にバッテリーを搭載してEVながら低床を実現した路線バス「エルガEV」の全貌 (2/2ページ)

大阪・関西万博で活躍する可能性も

 車両の最大出力は250kW(モーターが2基なので125kW×2になる)で、最大トルクは960N・m(同480 N・m×2)と大きなパワーをもつ。搭載しているリチウムイオンバッテリーの容量は245.3kWhなので、1回の充電走行距離は360km(30km/h一定速)である。この距離は、長距離バスや観光バスであれば少し短いかもしれないが、路線バスならば営業に差し支えることはない。定員は70名でディーゼル仕様車よりやや少ないものの、これも許容範囲といってよいだろう。

 2025年に開幕する大阪・関西万博では、会場内外に電気バス約150台が投入されるという。そのうち、10台程度は自動運転にも挑戦するそうだ。すでに100台は福岡のEVメーカー「EVモーターズ・ジャパン」が受注・納品した。

 この車両はバッテリー容量が210kWhで、1回の充電走行距離は280km。定員は77人だ。公表されているとおりであれば、EVバスはあと50台程度が投入される予定である。ひょっとしたら、「エルガEV」の出番があるかもしれない。

 1970年に開催された大阪万博では、会場に6人乗りの電気バスが時速6~8km/h程度(最高速度は15km/h程度)で運行されていた。当時、これを製造したダイハツは、自動車の排気ガスによる大気汚染問題を解決する糸口として、この車両を世に出したのだそうだ。

 環境対策の切り札とされるEVバスが、半世紀のときを超えてどのように進化したのか、関西万博の会場で見せてくれることに期待をしたい。


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