EVバスもEVトラックも100年前には日本で運用されていた! それでも現代まで広まらなかった理由とは? (2/2ページ)

環境問題の対策として実用化に本腰

 EVトラック・バスの実用化に本腰を入れるきっかけとなったのは、地球温暖化問題やリチウムイオン電池の登場である。すなわち、喫緊の課題である環境問題と、これまでネックになっていた技術的問題について、ほぼ同時期に解決の糸口が見つかったということなのだ。さらに、バッテリーでは次世代を担うとされる全個体電池開発にめどが立ったことが、開発を加速させるのではないかと期待とされている。

 5月に横浜で開かれた「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」には、多くの最新技術が展示されていた。そこにはEVトラック・バスに関するものもあり、なかでも目を引いたのが「東京R&D(アールアンドデー)」が開発を進めているEVバスだ。

 同社は1984年からEVの開発に着手し、2輪車、乗用車、商用車、レーシングカーなどのEV化に取り組んできた。近年では、国、自治体、運輸事業者などとタッグを組み、市販車などをベースにして小型バスのEV化を行うといった事業を進めている。

 EVのトラックやバスは、エネルギー効率が高いことや環境に優しいことなどが評価されているので、次世代車両として普及することは間違いない。ただ、解決の糸口は見つかっているものの、現実問題として「1回の充電で長距離走行を可能にする」、「車両重量を抑える」、「効率的な給電システムを構築」、「イニシャルコストを下げる」などがネックになったままだ。

 現在活躍しているEVトラック・バスは走行距離が短く、営業所などの拠点が近くにある小型や路線用の車両がほとんどで、大型トラックや観光バスはまだ実用化の段階にあるとはいえない。同展の自動車メーカーブースでも、EV技術だけではなく燃料電池など水素技術にも大きくスペースが割かれていた。当面は、クリーンディーゼル、水素内燃機関、燃料電池、ハイブリッドなどと共存しながら、最適解を模索していくことになるのかもしれない。


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