ミーティングでデコプラへの意識が高まった
そんなデコプラのミーティングを主催した方々は、筆者がデコプラを製作していることを知っていた。そのため、逆に「何台かもってきてほしい」と依頼されたのである。自信はないのだが、一応ふたつの作品を自動車に積み込み、「静岡ホビーショー2024」会場へと向かった。しかし、どう考えても展示できるようなシロモノではない。そのため一度会場の様子を見てからどうするか考えようと思い立ち、デコプラを車内に残したまま会場に足を踏み入れた。
そこに展示されていた作品たちを見た結果、自身の作品を展示するには至らなかったのである。自身が丹精込めて製作した作品が稚拙なものに思えてしまうほど、出展されている方々のデコプラのクオリティが高かったのだ。
その凄さに圧倒されて会場をあとにしたのだが、不思議と恥ずかしいとか情けないというマイナスな感情は芽生えてこなかった。ただ、この程度で展示して、満足しなくてよかったという思いがこみ上げてきた。優れた完成度を誇るデコプラたちから技術やアイディア、そしてデコプラの精神を全身で受け取り、今後の糧にしようと素直に思えたのだ。もちろん趣味の世界である以上、勝ち負けの問題ではない。ただ、心の底から励みとなったのである。
いま、トラック魂本誌ではそんなわたしのデコプラ企画を連載している。それは、「オレたちの作品を見ろ!」という高尚な理由で連載しているわけではない。ただ純粋に、デコプラに取り組む新規モデラーを刺激したいと考えたのだ。どんなレベルの人であっても、それなりの作品を作ることができる。だからこそ、デコトラ好きのみんなも挑戦してほしい。そして、デコプラの楽しさを知ってほしい。そんな思いで掲載しているのだ。
いま、空前の盛り上がりを見せているデコプラの世界。これからもトラック魂本誌やwebで優れた作品たちを紹介していきたい。そしてそれを機にデコプラにのめり込む人が増えることを期待したい。