デコトラ乗りはヤンチャな荒くれ者……は映画の刷り込み! じつは優しい人が多いオーナーの素顔 (2/2ページ)

デコトラオーナーは親切で優しい人が多い

 そして、イカつい人だから怖いというわけでもない。名実ともに本職であるデコトラオーナーであっても、ファンや仲間たちには親切で優しい人が多いのだ。

 以前、イベント会場に偶然訪れたという老夫婦が、ド派手なデコトラに関心を寄せていた。「懐かしいなぁ。若い頃にトラックで仕事をしていたころとか、一番星を思い出すよ」と話しながら、嬉しそうに一台のデコトラを見つめていたのである。その光景を見ていたデコトラのオーナーは老夫婦のもとへと小走りで駆け寄り、「これはボクのトラックなのですが、気に入っていただけました? 良かったら、運転席に座ってみますか?」と笑顔で声をかけたのである。そして老夫婦は、満面の笑みを浮かべ、旦那さんはオーナーや仲間たちの手を借りながら大型トラックの運転席へと乗り込んだ。感動のあまり言葉をつまらせながら、オーナーと仲間たちに何度もお礼をいいながら、デコトラを満喫していたのだ。

 そんな粋な行動が自然にできる、心優しき男が多いのである。

 なかにはトラブルをやたらと起こすようなチンピラじみた人物も存在するため注意が必要だが、デコトラの世界では有名であればあるほど、トラックが立派であればあるほど、そのオーナーは優しい傾向にある。これもまた、反社の世界と相通じるものがあるのかもしれない。その道を極めた親分クラスは優しいが、そうでない人物に限って誰彼構わず威圧し、喧嘩をふっかけるものだから。

 ただし、いくら優しいからといって度を超えたワガママ発言をしてしまうと逆鱗に触れる恐れがあるため、そんなオーナーの優しさにどっかり甘えてしまうのは禁物だ。

 デコトラオーナーに限らず、どのような人に対してもいえることだが、最低限の礼儀とモラルはつねにもっておきたいもの。そうして、日本が誇るデコトラ文化を安全かつ楽しく体験してもらいたいものだ。


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