イカついオラオラ系だが頼れる兄貴肌! デコチャリ少年を暖かく迎え入れてくれたデコトラ野郎たちの素顔 (2/2ページ)

先輩たちから学んだデコトラの魅力

 1980年代後半、第2次デコトラブームと呼ばれた黄金期に足を踏み入れた自分にとって、先輩方が築き上げたデコトラたちは、とても美しく光り輝いて見えた。全国的にデコトラのレベルが高かった時代であったため、専門誌を賑わせる有名車ほどの仕上がりではなかったかもしれない。しかし、どのデコトラを見ても個性的で、かつポリシーを感じられたのである。ただ派手に飾ればいいというわけでもないデコトラの世界では、とにかく「個性が重要」だったのである。だからこそ、若かりし自分の心にも深く突き刺さったのだろう。

 そんなデコトラのオーナー方は、写真を快く撮らせてくれ、同じ目線でお付き合いをしてくれた。夜ともなると自慢のイルミネーションを披露してくれたり、ときには乗せてくれたりしたこともあった。イカつい風体の先輩方ではあったが、心は少年のように純粋だったのだろう。だからこそ、大切な相棒に大枚をはたいて化粧を施し、可愛がっていたのである。そんな粋な生き方をしていたデコトラオーナーたちもまた、デコトラの魅力だといえるのだ。

 SNSが浸透した現代においては、ただ、目立ちたいという理由だけでデコトラを製作しているような人物を見かけるようになった。デコトラだけではなく、きっとほかの世界でも同様のことは起きているのだろう。

 もちろん、そのようなニワカファンやお調子モノが築き上げたデコトラは、クルマを見ればわかるもの。ただ流行の飾りだけを安易に取り付けただけのような、いわゆるポリシーがまったく感じられないのだ。付け焼き刃では、本物に遠く及ばないのは当然の話。それでありながら、己が長きキャリアをもっているように振る舞ってみたり、有名人であるかのようにのさばっているのである。そのような人たちは得てしてルールやマナーを守らず、暗黙の了解も知らずして好き勝手に活動してしまう傾向にある。

 デコトラ界がこれ以上荒らされないことを祈りつつ、本当に好きな人たちの力で、日本が誇るデコトラ文化のさらなる飛躍と発展を祈りたい。


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