明るさや寿命だけじゃない! ヘッドライトの進化はトラックの「顔のデザイン」まで変えていた (2/2ページ)

現在トラックのヘッドライトはLEDが主流

 次に登場したのが、ディスチャージランプ(HIDランプ)だ。フィラメントをもたずに発光し、白色や青色系の明るい光を遠くまで届かせることができる。丸く小さなレンズを使用するために、ヘッドライトの小型化が可能になって、フロントデザインに大きな変化をもたらした。

 消費電力が小さい・発熱量が低い・長寿命といった長所もあるが、発光ユニットが必要なことや、比較的高価であること、さらに蛍光灯のような点灯の仕方をするために、パッシングに不向きなどといった欠点がある。結果、ハロゲンランプにとってかわるというまでには至らなかった。

 そして現在、主流になりつつあるのがLEDヘッドライトである。長らく発熱・価格・光量が普及のネックになっていたが、これらに解決のめどが立って採用する車両が増加している。消費電力が小さく長寿命であることに加えて、たいへん明るいという特徴をもつ。ハロゲンランプ同様に、既存ユニットのランプを交換するだけで使用できるものも多く、ハロゲンランプから交換するドライバーも多い。このとき、車両に電球切れのセンサーがついていると誤作動することがある。

いすゞエルフのLEDヘッドライト

 ディスチャージランプは、ヘッドライトの形状として小さくすることに成功したが、基本的には丸型になる。これに対してLEDヘッドライトは丸型にする必要性がない。近年、乗用車に薄めのヘッドライトが増えたのは、LED化が進んだことによる。車幅灯やウィンカーも小型化が可能になり、ヘッドライトと一体化したデザインが増加したことで、トラックのフロントイメージにも変化が見られるようになったのだ。

 現在、LEDをしのぐ光源の開発は発表されていないので、当面はその普及が進められるだろう。LEDは複数の光源を使用するので、将来はこれらを道路環境や走行条件に合わせて、AIなどで制御することができるようになると考えられる。

 法律が緩和されれば、ヘッドライトの点滅でメッセージを発信するなどといったことも、できるようになるかもしれない。


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